6/15レイボー変更、偏頭痛薬、

今日は新しい片頭痛治療薬の処方があった。その患者は以前より片頭痛発作時の頓服としてイミグラン(スマトリプタン)を処方されていたが、顎が痛くなってしまうとの訴えがあったため今回レイボー(ラスミジタン)という新薬を試すこととなった。イミグランは5-HT1B/1D受容体作動薬であり、他にもゾーミッグ(ゾルミトリプタン)やレルパックス(エレトリプタン)、マクサルト(リザトリスタン)などといったトリプタン系製剤がある。ゾーミッグとマクサルトにはそれぞれ口腔内崩壊錠の製剤があり、急な発作でも水無しですぐに服用できる。またイミグランには点鼻剤と注射剤があり、発作時に伴う悪心や嘔吐があれば経鼻や皮下注射が選択されうる。新薬であるレイボーは、5-HT1B受容体よりも5-HT1F受容体へ特異的に作用するジタン系薬であり、また血液脳関門を通過することで中枢の片頭痛疼痛シグナルを抑制することができる。片頭痛の発作時治療薬では服用タイミングの難しさにより除痛コントロールが困難となっていたが、レイボーでは服用から30分〜1時間後に効果がみられたり、発作時から1時間未満でも1.2時間後でも頭痛が改善したりとあまりタイミングによらず素早く効くという利点がある。ただし中枢に効くという観点から、浮動性めまい(20%ほど)などが見られてしまうため、副作用についての説明や副作用がみられていないかの確認が必要となる。