4/11 エンレスト
今日はエンレストについて学んだ。エンレストはARBのバルサルタンと、ネプリライシン阻害薬のプロドラッグであるサクビトリルの合剤であり高血圧治療や心不全治療に使用されている。
ネプリライシンはペプチド分解酵素でありANPやアンジオテンシンⅠとⅡやブラジキニンか基質となり分解される。
このネプリライシンを阻害すると、ANPによる血管拡張作用に加えて、ARR系の活性化による血管収縮、ブラジキニンの上昇による空咳などが起こる。そのため、ネプリライシン阻害薬単剤では、高血圧治療や心不全治療に対する効果が乏しくARBであるバルサルタンとの合剤で販売されている。
血圧の薬としてのエンレスト200 mgの効果はオルメテック 20 mg(オルメサルタンメドキソミル)、バルサルタン160 mgと比較しても優位に血圧を下げる。さらに、ネプリライシンはGLP-1の分解にも関わっており、エンレストを服用することによりインスリンが増えるので、他の糖尿病治療薬を減らせる可能性もある。
上述したようにエンレストの適応は心不全と高血圧である。このどちらの疾患に使用されるかて用法用量が異なる。心不全に対しては1回50 mgから開始し1日2回投与する。忍容性に応じて段階的に1回200 mgまで増量する。また、エンレストを使用する場合にはACE阻害薬またはARBから変更しなければならない。
高血圧治療に対しては1回200mgを1日1回投与する。また、1日の最大量は400 mgである。
このように、エンレストが処方されていた場合はその用法から処方意図を把握することが出来る。