6/22レキップ、メイラックス、減量、追加

今日は精神科疾患とパーキンソン病を併発している患者の対応をした。その患者は以前よりパーキンソン病治療薬としてネオドパストン(レボドパ・カルビドパ)による薬物治療を行なっていたが、先月より症状が悪化しレキップCR錠2mgが1錠追加となった。レキップ(ロピニロール)は非麦角系のドパミン作動薬で、ドパミン作動薬としてはファーストラインの薬とされる。4週後に受診された際には、忍容性があったからか2錠へと増量されていた。一方、精神科疾患の治療においては、4月よりルネスタ(エスゾピクロン)に加えてトリンテリックス10mg 0.5錠分1とメイラックス1mg 1錠分2が追加され、3剤を併用していた。しかし5月の処方にて、トリンテリックスを1錠分1へ増量し、メイラックスを0.5錠分1へと減量していた。トリンテリックス(ボルチオキセチン)はセロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節薬で、他の抗うつ薬と比べて効果が高く服用もしやすかったというメタアナリシスの報告があり使いやすい薬である。また、メイラックス(ロフラゼプ酸エチル)は超長時間型のベンゾジアゼピン(BZ)系抗不安薬の1つで、催眠や抗不安、抗痙攣、筋弛緩などに作用を有し、今でも不安障害ではBZ系が使われることが多いとされる。これらの処方で服用していた患者であったが、先週胃の調子悪化を訴えて来院し、頓服でプリンペランを処方された。そして今回よりトリンテリックスが中止となっていた。代わりにメイラックスが1錠分2へと戻っていたため、うつ症状の改善による中止ではないと考えられる。トリンテリックスは使いやすい薬と述べたが、副作用として悪心・嘔吐がみられ、悪心については10%以上の頻度でみられる副作用と添付文書に記載がある。また、パーキンソン病治療薬のレキップの副作用としても悪心が19.2%の頻度でみられるため、この薬剤における副作用発現も考えられる。次回以降の服薬指導において、今回のトリンテリックス中止によって副作用の改善がみられ本来の効果が出ているのかという点と、レキップの用量は変化しているかという点において確認する必要がある。