6/16サイアザイド副作用、PPIポリープ

今日はある高血圧症の患者が来局した。この患者は降圧薬としてアムロジピンとアジルバ(アジルサルタン)、フルイトラン(トリクロルメチアジド)の3剤を服用しており、今回からフルイトランが中止となった。"高血圧ガイドライン2019"には、治療薬の第一選択として①Ca拮抗薬・②ACE阻害薬/ARB・③チアジド系利尿薬のいずれかから開始し、降圧が不十分な場合は①〜③の中で2剤を併用、それでも不十分な場合は①②③の3剤併用療法が行われる。今回、血圧は変わらないようだったが中止となっていたため話を聞くと、カルシウム値が高値となったので中止したと言っていた。フルイトランはNa+-Cl-シンポーターを阻害しNa+とCl-の再吸収を抑制するチアジド系利尿薬で副作用として低ナトリウム血症や低カリウム血症がよく知られているが、添付文書を見ると今回の症例のように血中カルシウム値が上昇したり、尿酸値や血糖値が高値となったりする代謝異常という副作用も報告があった(5%以上または頻度不明)。
また、胃にポリープが見つかったために薬剤が変更となった患者も来局した。その患者はPPIであるオメプラゾールを服用していたが、今回胃にポリープがあるとのことでPPI由来のポリープが疑われた。PPIを長期服用することでガストリン値が上昇して胃底腺の過形成がおこり、ポリープが確認されることが知られている。PPI由来のポリープであれば、PPIの中止により縮小・消失することが多いとされる。そのため今回よりPPIを中止し、H2ブロッカーであるファモチジンによる処方へと変更された。