3/02 睡眠薬

今日の患者で、寝る前にトリアゾラム、トフラニール、ジアゼパムが処方された患者がいた。そのため、今日は睡眠薬について教わった。睡眠薬は主に5つのタイプに分けられる。1つ目はベンゾジアゼピン系である、効果が強いためよく効くが、転倒などの副作用が起こりやすいため注意が必要(デパスなど)、2つ目は、非ベンゾジアゼピン系である、こちらはベンゾジアゼピン系に比べて副作用が少ないため使用しやすいことが特徴である(マイスリー)。3つ目はメラトニン受容体作動薬である。メラトニンは睡眠に関連するホルモンであり、睡眠時に増加し眠気を亢進することが知られている。このメラトニンの受容体を刺激することで、自然に近い睡眠を得られることが特徴である(ロゼレム)。4つ目はオレキシン受容体拮抗薬である。オレキシン受容体はモノアミン神経系を活性化させ覚醒保持に関与している。そのため、このオレキシン受容体を遮断することで睡眠をもたらす(デエビゴ、ベルソムラ)。特にデエビゴは顕著に効果が出るためよく処方される。5つ目はバルビツール酸系であるが、こちらは作用が強すぎるため使用されることは無い。
近年メラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬など安全性の高い睡眠薬が開発されてきたが、これらは催眠作用が比較的マイルドであるため、患者の要望でより効果が強いベンゾジアゼピン系の薬を処方されることも多いことを教わった。
睡眠薬は作用の強さ、また患者の病態(入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠困難など)、により選択することが重要である。