7/25バイアスピリン中止、憩室出血

今日来局した患者で、バイアスピリンを中止する患者が来局した。その患者は7/13にいつもの薬を貰いにきていたが、次の日に血便がみられたとのことで病院に来て、そのまま救急車で運ばれ入院したとのことだった。運ばれた先では"憩室出血"と診断がされたようで、入院時よりバイアスピリンが中止となっていた。憩室とは、消化管壁の一部が外側に突出して嚢状になった状態をいう。ほとんどが大腸にみられ、消化管壁の強さと腸管内圧とのバランスが崩れることで出来ると考えられている。そして憩室出血とは、大腸憩室の粘膜にある動脈から痛みもなく出血してしまう病気である。憩室の壁は血管が通っているが、薄いために炎症などの刺激によって血管が切れて出血してしまう。憩室出血は糖尿病、高血圧、虚血性心疾患を治療中の患者や抗血栓薬を服用している患者に多いとされ、今回の患者は高血圧でありバイアスピリンも飲んでいたので憩室出血か起きてもおかしくはない患者だと考えられる。憩室出血は再発率も高いため、今回止血が完了したとしても、出血リスクが高いバイアスピリンのような抗血小板薬は中止する必要がある。中止すると血栓ができやすくなりイベントが起きるリスクが上昇すると考えられるが、憩室出血が進行してしまって憩室穿孔が起きると、腹膜炎等の重大な病気が引き起こされる可能性があるために出血リスクのある薬剤は中止するようにする。
今回の患者は薬を渡した次の日から入院したため、前回分は一切飲んでいなかった。そのため、処方せんは無くても薬を持参して来局してもらい、バイアスピリンは薬局で預かることとした。また一包化処方であったため、一包ずつバイアスピリンを取り出して再一包化して渡した。