6/21ビグアナイド副作用中止、DPP4へ

今日は糖尿病患者で、薬剤が変更となった患者がいた。その患者は前回よりHbA1c高値を指摘され、メトグルコを処方されていた。しかし、3日間服用した時点で下痢がひどくなり今回メトグルコは中止となった。メトグルコはビグアナイド薬で、AMPを活性化して肝での糖新生を抑制したり、骨格筋での糖取込みを増強したり、腸からの糖吸収を抑制したりする。特徴としてインスリン抵抗性を改善したり、体重増加を来たしにくく肥満患者に使いやすかったりという点がある。糖尿病治療薬の選択としてよく使われるのはSU薬であるが、低血糖のリスクが大きいために初回から投与するのはこわい点もある。一方、メトグルコは低血糖リスクが低く、薬価も安いために使われやすい。しかしながら副作用として乳酸アシドーシスが有名であり、初期には消化器症状や倦怠感がみられ、酷くなると昏睡にまで陥る。また他の副作用で報告が多いものとして下痢が知られており(40.5%)、乳酸アシドーシスの初期症状の1つでもあるため鑑別が必要となる。今回は乳酸アシドーシスではないと考えられたが、頻度が高い下痢が副作用としてみられたため、下痢のリスクが低いエクアへと変更となった。エクアはDPP-4阻害薬の1つでその分類の中では薬価が安く、よく使われている。服薬指導時にはメトグルコと効き方が異なるという点と、下痢が起こりにくい薬に変わっているという点を説明した。今後、この薬剤投与で糖尿病が改善されているか観察する必要がある。