7/30歯科オペ、抗生物質用法

今日は抗菌薬を処方された患者が来局した。処方箋は口腔外科からの処方で、来月抜歯をすると話していた。処方内容は①(頓服)アモキシシリンカプセル125mg 抜歯1時間前 2カプセル、②(内服)アモキシシリンカプセル125mg 抜歯後 分3で3カプセル、③(頓服)カロナールが処方されていた。①と②は薬剤が同じであるが、頓服と内服で異なるのと、用法が異なるために処方箋上では別々で記載がされていた。ただし、同薬剤なために調剤報酬としては①②で1つ分のみ取っていた。疑義照会を行うことはしなかったが、内服処方で初回のみアモキシシリンカプセルを1時間前に2カプセル服用という書き方の方が分かりやすいとのことだった。歯科領域で予防的に抗菌薬を使用する際は、手術部位感染(SSI)の高リスク因子をもつ患者に対して術前に行われる。SSIの原因は術中の細菌感染だと言われているため、手術開始時点で充分な血中濃度が必要となり、抗菌薬は1時間前投与を基本としている。歯科領域で問題となる細菌は口腔内嫌気性菌や連鎖球菌なため、第一選択はアモキシシリンとなる。アモキシシリンのTmaxは1.5時間ほどでt1/2が1時間ほどと短いため、1時間前投与が望ましいと考えられる。
患者への服薬指導では、①と②の処方で薬は同じだが飲み方と量が異なることを正しく伝え、手術後の抗菌薬はきちんと飲み切るように指導した。