8/02排尿障害、膀胱炎

今日は排尿障害の治療に用いられる薬剤について学んだ。
排尿障害は正式には下部尿路症状(LUTS)のことであり、LUTSの中には蓄尿症状・排尿症状・排尿後症状がある。女性の場合は尿道の締まりを良くする薬剤が使われることが多く、男性は尿の通りを良くする薬剤がよく使われる。女性ではβ3受容体に選択性のあるべオーバ(ビベクロン)、ベタニス(ミラベクロン)や、抗コリン薬のベシケア(ソリフェナシン) がよく用いられる。ただし、抗コリン薬は尿道の締まりをよくしすぎてしまい、尿閉が起こりやすいため注意が必要である。また副作用として口渇や便秘もみられうるため、過活動膀胱では β3受容体作動薬が第一選択となっている。
男性患者でよく使われるのがハルナール(タムスロシン)であり、これはα1選択性のαブロッカーである。α1受容体の中でもα1A受容体は前立腺に存在するため、特異的に前立腺平滑筋の弛緩作用をもたらして排尿障害を改善する。
また泌尿器関連として、膀胱炎のためにクラビットを処方された患者が来局した。ただし、その患者は平成25年にクラビットで気持ち悪くなったとの記録があり、クラビットは避けるようにとなっていた。そのため、医師に疑義照会をして別の抗生物質へ変更してもらうこととした。クラビットの代わりに以前も服用したことのあるバナンへ変更することとした。クラビットはニューキノロン系の抗菌薬で、バナンはセフェム系の抗菌薬である。膀胱炎にはニューキノロン系とセフェム系が第一選択となるため、今回はセフェム系であるバナンへと変更をした。どちらの処方にも共通するが、症状の改善が見られても処方日数分はきちんと飲み切るよう説明した。