6/08吸入薬副作用、ドグマチール減量

今日は気管支喘息の患者を対応した。その患者は2月よりウルティブロという吸入薬による治療を続けていたが、最近になってエナジアという吸入薬へ変更となった患者だった。しかし、今回エナジアによる副作用が出たために中止となり、しばらく様子を見るとのことだった。以前使っていたウルティブロというのは長時間作用型β受容体刺激薬(LABA)のインダカテロールと長時間作用型ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)のグリコピロニウムの2種合剤であり、1日1回ブリーズヘラーを用いて吸入する。一方、エナジアはインダカテロールとグリコピロニウムに加えてステロイド(ICS)であるモメタゾンが加わった3種合剤であり、2020年に発売された新薬である。1日1回ブリーズヘラーを用いて吸入し、吸入後はカンジダ症や発声障害などの副作用防止のため必ずうがいをする。今回の患者はうがいをしていたようだが、声がれが見られてしまい、医師により中止の指示を受けたとのことだった。声がれなどの発声障害は8.7%の発症率と添付文書に報告があり、これは粒子径に依存してみられると教えて頂いた。
また、別の患者でドグマチールの用量が変更となった患者がいた。その患者はドグマチール錠を2錠分2で服用していたが、今回の処方から1錠分1で減らされていた。服薬指導時に聞き取りを行うと、調子が良くなったために減らしたと言っていた。ドグマチール(スルピリド)はD2ブロッカーで、用量の違いにより消化性潰瘍や統合失調症、うつに適応がある。今回の患者は処方の用量より消化器症状の改善に用いていた。ドグマチールの副作用として食欲旺盛や舌もつれが出やすく、それを理由に減量する人が多いと聞いた。そのため聞き取りの際に食欲が変わったり舌もつれがないか聞き、今回はそのような症状により変更してはいないことも確認した。