暮らしの薬学【医療機器・医療ガーゼ・医療脱脂綿編】～④清浄綿、消毒綿、ウェットティッシュの正しい使い分け
洗浄綿や消毒綿、それにウェットティッシュを混在して使用していませんか？それぞれの用途は決まっているので正しく使いましょう。
眼の周りの消毒や清拭には何を使う？
清浄綿、消毒綿、ウェットティッシュの違いについては、前項（③清浄綿、消毒綿、ウェットティッシュの違い）で紹介しました。
眼周囲の消毒や清拭には、0.02%クロルヘキシジン（ステリクロン®W液0.02など）が使用されます。0.05%を超える高濃度のクロルヘキシジンやアルコールは結膜や角膜の傷害をおこす可能性がありますので使用できません。つまり、アルコールが含まれるウェットティッシュ、または、アルコールや高濃度の消毒剤が使用されている消毒綿は使用できません。清浄綿は、厚生労働省によりアルコールの使用が認められていないので、「目周囲」の消毒・清拭に使用が可能です。
また、インスリンなどの自己注射部位は、消毒用エタノール（第3類医薬品）、70%イソプロパノール（指定医薬部外品）をしみこませた消毒綿で消毒しなければなりません（ただし、アルコール過敏のある方はグルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、あるいは10％ポピドンヨードや2％ヨードチンキなどで消毒も可能です）
Q． 清浄綿には殺菌効果があるのですか？ インスリン自己注射を打つときの消毒に使えますか？
清浄綿に使用されている薬液濃度は非常に低濃度なので殺菌効果はありません。清浄綿が「乳児の皮膚・口腔の清浄・清拭、授乳時の乳首・乳房の清浄・清拭」など、清浄と清拭を目的としているのに対し、消毒綿は「手指・皮膚の洗浄・消毒、創傷面の洗浄・消毒」など、洗浄と消毒を目的としています。インスリン注射を打つ場合は消毒綿をお使いください。（必ず使用上の注意事項を確認してからご使用ください）
もっと勉強したい人に ～ 参考リンク
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＜この記事を書いた人・監修＞
藤田知子
京都薬科⼤学卒業後、メーカー勤務を経て、ドラッグストアでOTC医薬品販売から処⽅箋調剤など薬剤師業務 に従事。“薬剤師は町の科学者”をテーマに薬系新聞に寄稿、「ドラッグストアQ＆A」（薬事⽇報社）を編集。