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暮らしの薬学【入浴剤編】~②入浴剤の種類とその効果

入浴剤には、いろいろな成分があって、それぞれに肌をしっとりさせたり香りを楽しんだり、リラックスした気分になったりさせてくれます。「●●温泉」とかかれた入浴剤もあって、お風呂に入って旅行気分も味わえますね。

本物の温泉にいきたいわ by ナナコ

入浴剤にはどんな種類があるの?

入浴剤には配合される成分により、無機塩類系、炭酸ガス系、薬用植物(生薬)系、酵素系、清涼系、スキンケア系に大きく分類され、それぞれ期待される効果があります。

入浴剤の種類
シュワシュワして気持ちが良い炭酸ガス系入浴剤

Q.炭酸ガス系の入浴剤をお風呂に入れると泡(炭酸ガス)がでるしくみは?

炭酸ガス系の入浴剤をお風呂にいれるとシュッワーと泡がでます。この泡の正体は炭酸ガス(CO2)で、有機酸類で代表的なクエン酸(フマル酸、コハク酸、リンゴ酸など)と、炭酸水素ナトリウム(重そう)が、お湯に溶けると化学反応によって発生します(下図)。この商品は、お風呂に入れる前に炭酸ガスが発生しないように、錠剤は有機酸類と重曹が直接接触しないように工夫し、また、包装している袋は、水分を通さない複合材料のフィルムが使用されています。(ただし、種々の滑沢剤、賦形剤、結合剤などを使用しますが、微量の自然発泡を抑えることは大変難しいとされています)
炭酸ガスは、皮膚吸収により容易に皮下内に入り、直接末梢の血管の筋肉へ働きかけ、血管を拡げる働きがあります。血管が拡がると末梢血管の抵抗が弱まるので、血圧が下がり、血液量が増えます。その結果、全身の新陳代謝が促進され、疲労や痛みなどが回復します。

有機酸類で代表的なクエン酸と炭酸水素ナトリウムがお湯に溶けて化学反応

もっと勉強したい人に ~ 参考リンク・参考図書


入浴剤のおすすめはどれ?入浴剤の種類と特長について(アース製薬)
入浴剤の成分と種類

<参考図書>
入浴の事典
お風呂の達人 ―バスクリン社員が教える究極の入浴術―

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<この記事を書いた人・監修>
藤田知子
京都薬科⼤学卒業後、メーカー勤務を経て、ドラッグストアでOTC医薬品販売から処⽅箋調剤など薬剤師業務 に従事。“薬剤師は町の科学者”をテーマに薬系新聞に寄稿、「ドラッグストアQ&A」(薬事⽇報社)を編集。