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更年期の諸症状に悩む女性へのオススメは?~薬剤師が本音でオススメする市販薬㉔

日本人女性の平均閉経年齢は約50歳で、早い人では40歳台前半、遅い人で50歳台後半に閉経を迎えます。閉経前後の10年間を「更年期」といい、この時期に現れるさまざまな症状「更年期症状」といい、特に日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と呼ばれています

◎血管の拡張と放熱に関係する症状として「ほてり」「のぼせ」「ホットフラッシュ」「発汗」など
◎その他のさまざまな身体症状…めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさ など
◎精神症状 … 気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠 など
(参考:公益社団法人 日本産科婦人科学会ホームページ )
薬局で購入できる市販薬にも、こうした症状に対応する製品があります。今回は「女性の更年期諸症状」へのオススメを薬剤師にセレクトして頂きました。

◎今回推薦してくれた5名の薬剤師(小豆田くら子/宇野さらら/日陰ましう/ふらんすぴあの/ゆきつばめ ※五十音順)


まず3人の方が「命の母A」をオススメ!

命の母A(小林製薬)

命の母Aはホルモンバランスや自律神経の乱れからくる、更年期の不調を改善してくれます。飲みやすい錠剤で、漢方薬が苦手な方でも抵抗なく服用できます。13種類の生薬に加え、新陳代謝や疲労回復に欠かせないビタミンB群、抗酸化作用とともに血液の流れに関わるビタミンE、骨の材料になるカルシウム、代謝をうながすタウリンなど更年期の女性が不足しやすい成分も配合されています。
84錠入り(1週間分)770円、252錠入り(3週間分)1980円、420錠入り(5週間分)2860円840錠入り(10週間分)5170円と、幅広いラインナップで販売されています。
(小豆田くら子)

女性ホルモンを調節する13種類の生薬が含まれている。
1回4錠を1日3回飲むので忘れがちだが、ちゃんと効果を出させたいのであればきっちり飲んだほうが良い。
1週間分、3週間分、5週間分、10週間分の容量があるが、できれば飲み続けたほうがよいので大容量を購入したほうがお得。
(日陰ましう)

女性の更年期症状のための薬(処方)であること、更年期症状全般に対して効果が期待できる420錠(5週間分)2394円(税込み)今は1週間のお試しタイプもあるので服薬してみて効果を比較できます。
(宇野さらら)

ルビーナ(アリナミン製薬)

血の巡りをよくして温める四物湯と自律神経の乱れや水分代謝を整える苓桂朮甘湯の2つの漢方薬を組み合わせた「連珠飲」と呼ばれる処方。連珠飲は医療用医薬品としては販売されておらず、市販薬ならではの商品。動悸やめまい、立ちくらみなど更年期障害の代表的な症状に効果が期待できる
(ふらんすぴあの)

ツムラの女性薬ラムールQ(ツムラ)

更年期障害(のぼせ、不眠、イライラ)、冷え性に効く中将湯の処方に、鎮痛効果のあるエンゴサク、鎮静効果のあるカノコソウ、センナエキス、8種のビタミンを配合して製したフィルムコート錠。成人15歳以上、1回2錠1日2回服用。80錠入20日分1,870円、140錠入35日分2,750円(税込)。
更年期障害に用いられる薬剤の中で、ラムールQと比較される商品としては命の母A(小林製薬)、ルビーナ(アリナミン製薬)などあるが、命の母A、ルビーナが1日3回の服用が必要なのに対し、ラムールQは1日2回服用のため、日中忙しい女性に勧めやすい。
(ゆきつばめ)

更年期の諸症状になやむ女性へのアドバイス

女性ホルモンであるエストロゲンはLDLコレステロールの異化・排泄を促進する作用があるため、閉経後に大きくコレステロール値が上昇する場合があります。現在の状態を正しく把握し、食生活や運動習慣を見直しを行いましょう。
(ふらんすぴあの)

更年期は女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌量が急激に減ることでホルモンバランスが乱れ、「のぼせ」「不安、イライラ」「肩こり・頭痛」など多岐にわたる症状が現れます。
自律神経のバランスを整えるために、規則正しい生活を送ることが大切です。栄養バランスの取れた食事、適度な運動、質のいい睡眠を心がけるようにしましょう。
また、気分転換をすることも大切です。頑張り過ぎてしまっている方は、今までよりも少しペースを落とし、リラックスできるようなことをこころがけてみてください。
薬を服用しても改善しない場合には、受診をするようにしましょう。
(小豆田くら子)

更年期障害の発症要因は閉経に伴うホルモンバランスの崩れだけでなく、環境的要因などによるストレスによっても引き起こされる事もあるため、適度な運動、食事を美味しく食べる、余暇を楽しむ、十分な睡眠など、リラックス出来る方法を見つける事も大事
(ゆきつばめ)

医薬品ではないが、大塚製薬のエクエルも人気。
大豆由来のエクオールを補充できる。エクエルを飲んでいる人は美人な方が購入されるイメージ(個人の感想です)。
(日陰ましう)

女性の更年期の症状としてホットフラシュといわれる発汗症状がよく知られています。それ以外にも不眠や性交痛も困りごとで相談されます。50歳前後で自覚される方が多いですが、気になる症状があれば40歳になったころぐらいから該当することもあります。市販薬で対応できるか、それとも婦人科を受診してホルモン治療を行うべきかで生活のQOLが変わります。女性にとってのホルモンバランが変わる揺らぎの時期ですので、辛いときは無理せずに、薬剤師に相談していただけると良いかと思います。
(宇野さらら)

監修者コメント

前回の男性の更年期症状と違って、女性の更年期症状は、加齢により、症状の大小はあるとしても、誰にでも起こるものして認知されていますので、堂々と対応を相談できる時代になりました。
重い症状なら婦人科を受診、軽度なら市販薬をうまく活用しても、この時期を乗り越えられるのではないかと思います。

<本稿の監修>
坂口眞弓
博士(薬学)。みどり薬局、みすじ薬局、ゆうま薬局代表(東京都台東区)著書に「ここが知りたかったOTC医薬品の選び方と勧め方(南江堂)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」など多数。