筋斗雲
記憶力とはイメージの力。覚えたいことをイメージに置き換えると長く覚えていられるそうだ。経験上、人の顔と名前を何かと関連付けておくと、次に会った際、連想ゲームのように浮かび、無事名前まで思い出せたことが何度もある。
その点で漫画のシーンは、絵と言葉が同時に視野に入るので記憶の引き出しに残りやすいのかもしれない。先日亡くなった鳥山明さんの代表作「ドラゴンボール」。子供心に一番欲しかったのは「筋斗雲」だった。
ひとっ飛びでどこでも行けるのは、免許のない身としてはうらやましかったが、筋斗雲に乗れる条件は厳しく、場面も記憶している。それは「水洗便所のような」清い心を持っていること。心が不純だと落ちる。
さて、今話題の国会議員たちの心はどうか。政倫審への出席を拒んだり止めたりする自民党幹部たち。心にやましさがないなら駆け引きなどせず、堂々と話せばよいだけなのに。
適当な幕引きで裏金の記憶は早く消し去りたいのだろう。だが、もしうやむやで終わるようなら、有権者がなすべきは、裏金と議員と何かをイメージ付けて記憶を引き出せるようにしておくことだ。
まあ、選挙でどれだけ自分を飾っても、真実を隠し茶番を演じ続ける人たちは筋斗雲には乗れないし、すべてを水洗便所に流してあげるほど、有権者は優しくも忘れっぽくもないと思うけれど。
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