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京都大学薬学部 【就職のはなし】

 京都大学薬学部は、創薬研究の活動が活発です。京都大学の自由な学府は、薬学部にも生きています。学びたいと思えば、気になる先生の講義を聞いたり、他学部の授業を受講することもできます。他学部の講義で得た知識を薬学の研究に活かすことも可能です。自由な学びの環境がキャリウプランの形成にも役立っています。
 京都大学の特色入試の導入後、就職に達した学生がいません。そのため、導入後の成果はを参考にすることができません。ご了承ください。

京都大学薬学部の就職

 薬学科の卒業生のうち、1~2割が博士課程(6+4)に進学します。製薬会社など企業への就職のほか、薬剤師として医療機関に就職する卒業生が10-30%程度いますが、人数は年度により異なります。
 学部に就職担当の指導者(教授)がいます。担当教授の就職に関する知識は豊富ですが、創薬研究の研究者養成を目指す先生が多い傾向です。
 6年制の学生にも研究職を希望する学生がおり、一定規模の学生が内定を獲得してきました。2022年3月の卒業生では、9名、32%を達成しましたが、2024年3月の卒業生では1名です。2024年3月の卒業生数が大幅に減少しており、病院・製薬企業とも就職者が減少しました。
 6年間の推移を見ると、進学や医療機関への就職に大きな変化がありません。6年制出身者の病院薬剤師への就職は極めて少数です。ほぼ毎年、国立大学法人京都大学医学部附属病院に就職しています。
 特色入試の導入後の就職は3年後になるため、導入後の成果はまだありません。

薬学部 薬学科 就職実績 

薬科学科でも研究職を目指す学生がたくさんいます。

薬学部 薬学科 就職先

病院分野への就職は低率、ほとんどの卒業生が企業就職することがわかります。

大学院・博士課程 6+4 就職先

 薬学科の卒業生で大学院進学者は3ー4名です。大学院の修業年限は4年ですから卒業後4年のタイムラグで6+4の学生が修了します。2023年の修了生は、2019年の6名の卒業生で、1名は他大学からの進学のようです。

薬学部 薬科学科の就職と大学院進学

 京都大学薬学部は、創薬研究者を養成する教育機関です。そのため学部から就職する学生は稀な存在。学生の意識も「創薬研究を目指すならトップの存在である京都大学で学ばなければと考えて入学した学生が多いと思います。研究施設の充実度や研究者として学会などで活躍されている教授のもとで学びたい…」とある学生はいいます(桐朋高校出身)。
 東京大学は、入学後に学部の配置が決まるため薬学部で学べるかわかりません。そのため京都大学や千葉大学を受験する学生が多くなります。

薬学部 薬科学科 就職実績

薬学部 薬科学科の就職先

大学院修士課程 4+2 就職実績

 20%-30%の修了生が博士課程に進級します。修士課程で就職する卒業生の多くが研究職・臨床開発職、あるいは化学メーカーの研究職です。

赤く記した項目か製薬会社の研究職と臨床開発職、科学メーカーの研究職であることを示しています。近年では、製薬会社の下請けの存在であるCROに就職する学生も出てきました。

修士課程  修了生  就職先

 製薬企業の研究・臨床開発職として就職する学生が多く、広く業界の各企業に就職しています。ほぼ毎年採用する企業も固定化しており、アステラス製薬、エーザイ、大塚製薬、小野薬品工業、協和キリン、塩野義製薬、第一三共、中外製薬、日本新薬、住友ファーマなど10社です。
 これらの企業は、薬学科の採用企業とも重複しており、京都大学薬学部との繋がりを感じます。化学メーカーの研究職採用も特色になるでしょう。人材不足からこの数年は不明・未定の学生が少なくなっています。

博士課程  修了生の就職実績・就職先

 高校生にとって、大学院博士課程(4+2+3)は先のことになるためアンケートをとっていませんでした。ドクターコースの修了生の就職先の多くがポスドク、製薬の研究職、大学教員で占めることがわかりました。
 業界・分野では食品に入っている日本たばこ産業は、製薬事業をもっていますので実際の業務内容は研究職と思われます。
 薬学科・薬科学科の学部教育から博士課程の研究活動まで、充実した内容は言うまでもありません。
 学生は、満足しているとはいい難いのですがキャリアサポートセンターもあります。薬学は専門性が高い領域ですので充実したサポートは難しいと考えられます。
https://www.career.gakusei.kyoto-u.ac.jp