マガジンのカバー画像

ムスメの思い

40
ザ•昭和の父と母をもち、フェミニズミという言葉が広まる前に思春期を過ごした、もと若いムスメ。  詩、エッセイ。
運営しているクリエイター

#詩

ハナミズ キの花 見せてあ げたくて 【3行短文詩】

ハナミズ キの花 見せてあ げたくて 半日 の時差で 電話を 届ける スマホに 皺の増 え…

【詩】 髪を伸ばす

髪を伸ばす 年頃のきれいな娘に なりたくて 髪を伸ばした 反抗的な強い女と 思われたくて 髪…

今は昔の悔い #100文字の世界

おばあちゃんが ぼけ出したころ 「ぼけ」はまだ新しいことで 私はただ気味悪かった やすこも…

【詩】 骨拾い #ブラックポエムフライデー

不謹慎な表現あり、です。ブラックポエムフライデーに参加しています。 🥢 🥢 …

フェミニストをきどるおばさんへ

先に「あと書き」 これは、アラサーのわたしが書いていたものです。当時、詩を書いていたノー…

109

小さかった兄の一番古い記憶 (100文字ノスタルジア)

ヤスコと呼ばれる生きものが うちに来るのを待ちわびた メロンパンをわけてやろう 妹をかわい…

帰りたくない #100文字の世界

あの人のアパートにいて 帰りたくないのに 終電が出るから送って行くよって言われた 優しいだけなのが物足りなくて 並んで駅まで歩き出したら たまらなくなって駆け出した 後を追いかけて来たあの人に向かって バカと言った

【詩】 雇用均等法未明 結婚しても働けるところなんてどこにあるんですか

雇用均等法未明 大学3年時のリクルート社主催の座談会 バイト代のような謝礼と引き換えに …

【詩】 父が詩人にしてくれた

父が詩人にしてくれた むすめの私をむすめと扱い むすめとしてしか見てくれなくて わしの娘と…

157

[詩] 季節の間

夏だった 男は私くらいの若さ 高校になった初めての夏 図書館の自転車置き場 男が近づき 荒い…

[詩] 18才

18のとき嫌だったこと 家を持つこと 車を持つこと ひとつ所へ住みつくこと 好きな誰かがいる…

[詩] 演技

ビデオに映る女の目は 切れ長で私に似ている 女優なのだというその人は 日本の女を演じてみせ…

[詩] 冬の朝 (異国暮らし、スマホ前)

日曜の早起きはつらい 月に一度の国際電話を 日本の夜に届けるために 7時に起きる 無理やり…

[詩] 母

赤い花 黄色い花 やすこの好きな花 おかあさんの好きな花 住宅団地の庭を埋める 母は一度も 花の名を 覚えなさいとは言わなんだ 悟り男 安寿と厨子王 兄と私の好きな話 おかあさんの好きな話 毎晩本を読んで寝た 母は一度も声にして 本を読めとは言わなんだ わたしの好きな なつめの木 わたしのもらった トマトの木 父が根こそぎ掘った時も 父が悪いと言わなんだ 母は一度も人生を 悔いているとは言わなんだ