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ハナミズ キの花 見せてあ げたくて 半日 の時差で 電話を 届ける スマホに 皺の増 え…
髪を伸ばす 年頃のきれいな娘に なりたくて 髪を伸ばした 反抗的な強い女と 思われたくて 髪…
おばあちゃんが ぼけ出したころ 「ぼけ」はまだ新しいことで 私はただ気味悪かった やすこも…
不謹慎な表現あり、です。ブラックポエムフライデーに参加しています。 🥢 🥢 …
先に「あと書き」 これは、アラサーのわたしが書いていたものです。当時、詩を書いていたノー…
ヤスコと呼ばれる生きものが うちに来るのを待ちわびた メロンパンをわけてやろう 妹をかわい…
あの人のアパートにいて 帰りたくないのに 終電が出るから送って行くよって言われた 優しいだけなのが物足りなくて 並んで駅まで歩き出したら たまらなくなって駆け出した 後を追いかけて来たあの人に向かって バカと言った
雇用均等法未明 大学3年時のリクルート社主催の座談会 バイト代のような謝礼と引き換えに …
父が詩人にしてくれた むすめの私をむすめと扱い むすめとしてしか見てくれなくて わしの娘と…
夏だった 男は私くらいの若さ 高校になった初めての夏 図書館の自転車置き場 男が近づき 荒い…
18のとき嫌だったこと 家を持つこと 車を持つこと ひとつ所へ住みつくこと 好きな誰かがいる…
ビデオに映る女の目は 切れ長で私に似ている 女優なのだというその人は 日本の女を演じてみせ…
日曜の早起きはつらい 月に一度の国際電話を 日本の夜に届けるために 7時に起きる 無理やり…
赤い花 黄色い花 やすこの好きな花 おかあさんの好きな花 住宅団地の庭を埋める 母は一度も 花の名を 覚えなさいとは言わなんだ 悟り男 安寿と厨子王 兄と私の好きな話 おかあさんの好きな話 毎晩本を読んで寝た 母は一度も声にして 本を読めとは言わなんだ わたしの好きな なつめの木 わたしのもらった トマトの木 父が根こそぎ掘った時も 父が悪いと言わなんだ 母は一度も人生を 悔いているとは言わなんだ