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トラの妻

 2月1日、プロ野球キャンプイン。球春到来⚾️
また新たなシーズンが始まる。
大好きなタイガースを毎日のように見れる、この上ない幸せだ。

 だが、その時とほぼ同時に現実も訪れる。

 それぞれ年齢、立場、役割や求められることの異なる選手の競争や仕上がり。ポジションは各々が掴んで離さない場所でなければならない。

 野球にはスターティングで考えると9つのポジションが存在するが、中でも筆者は「捕手」が好きだ。

 捕手は"特殊"だとよく言われる。
それは守備の際に一人だけ違う方向を見て守っていることや内野手・外野手と違い打球処理も大きく異なり投手と一緒に投球を創り上げるために守備での意識方向が大元の部分から異なるからであろう。

 今年も捕手に関する議論はとどまらない。
タイガースには守備面が高水準の一定ラインを超えた顔ぶれが揃っている。これは他球団を見渡してもトップクラスである。

 東京五輪日本代表でブロッキングに定評があり、攻撃にも強みを持つ走れる捕手、梅野隆太郎。
あのダルビッシュにフレーミングの良さを認知され、投手の良さを引き出すことに定評があり、キャプテンシーもチーム内から賞賛される坂本誠志郎。
大活躍の2020年ドラフト(1位 佐藤輝明、2位 伊藤将司、6位 中野拓夢)組、肩の強さに定評があり打撃でもバットが素直に出る中で長打も見せる、昨シーズン後半では円陣の声出しが話題となった榮枝裕貴。高卒1年目ながらウエスタンリーグで打率.295、OPS.800超えを記録し、注目されてきたフレーミングに加え、主に秋山拓巳とバッテリーを組み、研鑽を重ねてきたトッププロスペクト中川勇斗。
特によく名前の挙がる4人を紹介したが、高卒4年目を迎える藤田健斗も順当にレベルアップを重ねており、長坂拳弥や片山雄哉も1軍でマスクを被ったほどの存在である。

タイガース捕手陣

 では皆があまりに良くて誰を使おうかと議論のトピックになっているのかと言えば、そうではない。

 今年も正捕手最有力の梅野が'21年後半、'22年シーズンと本来良さとして持っていた打撃が振るわない。今キャンプでも打撃フォームから見て取れる様子が心配されている。
次いでマスクを被ることの多かった坂本も良さであるパンチ力を見せる場面が印象的ではあるが、安定とまでは行かず率として残らない状況が年を跨いで続く。
こうなったことで昨年終盤に榮枝にマスクを。となっていればまた今年に違った形で入れたかもしれないが、昨年前述した2人以外でマスクを被った経験があるのは中堅の長坂と片山であった。打席の機会もあったが、2人を凌いで起用するまでのモノは見ることが出来なかった。

 昨シーズン、終盤になるにつれて順位争いの厳しさから怪我の影響で振るわなかった時期もあったが状態を上げたびたび1軍へ昇格していた榮枝や噂にもなっていた中川勇斗(高卒1年目なので仕方ないという声はごもっとも)の抜擢はなかった。
外から言うのは簡単なのかもしれないが、「昨年の起用がベスト/ベターで更には今季に繋がる確かなモノをもたらすことができたのだろうか」と捕手陣の起用には思ってしまう面が正直ある。チームが勝つ為にと考えるのが第一であって、捕手に焦点を当てていてそう感じるのかもしれないが「勝つだけじゃなく理想を求めて挑んで勝つ」というのが前任矢野阪神だったことを踏まえると改めて感じる。

矢野阪神を象徴する試合の1つ🐯


 このように筆者が感じるように十人十色で野球への考え方がある。
岡田監督には大山佐藤のポジション固定や中野のコンバートといった、こうすると思ったらそれを実行する能力が秀でてあると感じている。
また木浪や板山への評価を見てステレオタイプを取り払って物事を見ることも出来る方だと感じた。

 固定を掲げる中で「固定を理想としながらも出来ず対応していく形が見れた前任時代」の良さも見れると良いなとも思っている。
勝負勘が凄いとOBが口を揃える手腕に期待したい。

 ここまでのキャンプを見ていても開幕時は梅野にチームを託すような起用になるだろう。
そこから意気に俺が正捕手だと言わんばかりの成績を梅野が魅せてくれるのか、坂本のバットに安定感が増し名実ともにリーダーになっていくのか、10割男の榮枝がチャンスを増やし正妻を射止めるのか、素質を輝かせている中川の抜擢があるのか。

 個人的には見てみたいという思い故の若手への期待もあるが、やはり梅野に期待している。シンプルな形で打てたら代表主戦クラス。

 他球団が怖がるトラ投手陣から好かれ、野手にとっても必要な妻になるのは誰だろうか。時に引き立て役と言われる捕手、ツマになるのは誰だろうか。
熱いそれぞれの自分磨きに期待したい。

🐯が誇る投手陣

#阪神タイガース





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