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童心は失われている

出かけようとしたら玄関の出たところにデカめのダンゴムシ的な生き物がいる。ダンゴムシ、にしては大きくないか? なんか体もツヤめいてない? ひょっとしてGのベビーだったりしない??
慌てて戸を閉める。ちょっと息を整えて、もう一度開ける。するとやつは敷居を跨いで我が家に侵入しようとしているではないか。苦労して履いたサンダルの留め具を震える手で外して家に駆け込み殺虫剤をひったくる。閉じた扉の隙間にスプレーしまくる。ちょっと開けてまたスプレー。
肩で息をする。暑い。化粧が崩れる。

恐る恐る外に出ると、そこにレーズンくらいにまぁるくなった死骸が転がっていた。……てことは、やっぱ、ダンゴムシだったのだろうか。急に罪悪感。でも家に入られるのは嫌だし。
気を取り直して出発。ごめんね。

目黒区美術館の武井武雄展を観に行く。寡聞にして存じ上げなかったのだがキービジュをみてビビッときたので。
プールで遊ぶ子供達を横目に入館。結構人がいた。私が無知なだけで有名な方なんだと思う。
童画というジャンルの先駆者だけあって、童心に帰るような、ノスタルジックで愛嬌のある作品たち。水彩とクレヨンでこんな鮮やかな海と草原が描けるもんだなぁ、と見惚れる。
ウキウキとお土産にポストカードを買い込む。美術館のお楽しみ。

しかし、暑い。さすがに疲れて帰宅。
まだ、レーズンはそこに転がっていた。
虫をファンタジックに描いた作品も多かったな……と思い出す。
ごめんね。

明日は掃除当番だから早く出社しなくては。そしたら連勤の幕開けだ。

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