自由進度学習と英語授業❷(単語学習 前編)
公立中学校で英語を教えています。
自由進度学習を取り入れた英語授業パート❷ということで、今回は単語学習について具体的に紹介します。前回の記事をお読みになられていない方は、こちらからどうぞ。
4段階別の単語学習
生徒が単語学習をするときの目標を4段階に分けています。①②は理解の段階、③④は発信・表現の段階です。
① 英語を見て、発音できる👍(発音)
② 英語を見て&聞いて、意味がわかる👍(英⇨日)
③ 日本語を見て&聞いて、英語がわかる👍(日⇨英)
④ 日本語を見て、英語が書ける👍(スペル)
生徒はこの4段階を踏みながら英単語学習に取り組みます。なお、ユニット単位で新出単語をまとめた自作のプリントを使って行っています。
1段階目:単語の発音ができる👍
まずは単語の発音です。発音できない単語の意味を覚えても効果は薄い。全員、単語の発音が正しくできるようにします。生徒一人ひとり、教師が一対一で向かい合ってチェックします。提示したプリントには61語載っているので、15単語ずつで4つのグループに分けて、発音テストしています。
グループ①:No. 1〜15までの単語
グループ②:No. 16〜31までの単語
グループ③:No. 31〜45までの単語
グループ④:No. 46〜61までの単語
例)生徒A「グループ①の発音テストお願いします。」
生徒B「グループ①〜③まで一気にやってみます。」
2、3段階目:英⇨日、日⇨英変換できる👍
次に英⇨日、日⇨英の段階。ここも教師がチェックします。ただし、いちいち
教師「『〜を守る』」⇨生徒「protect!」みたいにはしません。時間内には到底チェックしきれないからです。ではどうするか。
ICTの登場です。具体的にはGoogleフォームのテストを使っています。例えば、写真のように、正しい英語[日本語の意味]を選択肢から選ぶ問題に答え、全て合っていればOK。一つでも間違えたらやり直しとしています。
子どもたちは満点が表示された画面(僕の学校はiPad)を教師に見せにきます。教師はそれを見て、合格サインをするだけです。
テスト名の横のAとかFinalは、テストの出題範囲と問題数を示しています。
出題範囲と問題数
A 単語グループ①から10問
B 単語グループ①&②から15問
C 単語グループ①&②&③から25問
D 単語グループ①&②&③&④から40問
Final 全範囲から全問
4段階目:英語を正確に書ける👍
最後はスペリングです。何度も発音し、日本語と英語を何度も行き来した単語を最後に書きます。一番最初の写真の単語たちの中で、特に太字になっている単語のみ書けるようになるまで練習させます。細字と太字の違いは「受容語彙」と「発信語彙」の違いです。
スペリングテストだけはテストのことも考えてプリントに書かせています、当該ユニットに入る前に、職員室に有り余る裏紙に大量に印刷しまくります。満点取るまで何度も挑戦させます。
以上の要領で、
① 英語を見て、発音できる👍
② 英語を見て&聞いて、意味がわかる👍
③ 日本語を見て&聞いて、英語がわかる👍
④ 日本語を見て、英語が書ける👍
生徒を育成します。
※「生徒がカンニングするのでは?」という意見
教室後方に教師が位置し、見ていれば基本しません。また、そこは教師と生徒の日頃の関係づくりの問題かな、と。
終わりに
今回は単語学習を4つの段階に分けているという話でした。第2言語習得理論に基づき、音声から始めてようやく最後に書く。そのプロセスを子どもたちに提示すると同時に、単語の学習はこうやってしていってね。というメッセージでもあります。
次回のnoteでは、授業の英単語学習の流れを紹介します。では、また😀
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