将棋自戦記#1~第5期指す将順位戦第1局~vsとよしさん

※※※注意※※※
本局の自戦記は勝手に書かせて頂きました。ですので関係者の方からお叱りを受けた場合は即削除致します!相変わらずの拙文ですが何卒よろしくお願い致します。

はじめに

 指す将順位戦とは、インターネット上に将棋ファンが集い、楽しく真剣に将棋に取り組む将棋大会。運営などは有志の方々によって行われ、噂によれば参加者によるリアルでの打ち上げも実施されているとか!
 とにもかくにも、2週間に1局程度のペースでじっくり準備しながら、順位戦さながらのリーグ戦を味わえるのが指す将順位戦の魅力です。参加者どうしで対局を観戦することも多く、自戦記が有志によって積極的に書かれています。そんな風に将棋が好きな人が集まり、みんなで大会を盛り上げることができるのも魅力的ですね。

 ひとまず自己紹介をしておこうと思います。やきそば、こと私は5年ほど前に電王戦がきっかけで将棋界に足を踏み入れた指す将兼観る将。見よう見まねの四間飛車から入り、気づけば戸辺先生の本を片手に石田流とゴキゲン中飛車を中心に指すようになった振り飛車党です。ただ最近は角換わりに浮気中。棋士の先生は皆さん尊敬していますが、強いて挙げるなら豊島先生が好きです。

 指す将順位戦は前期から参加。前期は最高レートの関係かB級2組の所属となりましたが、不戦勝含む2勝9敗と大苦戦!全く歯が立たないまま敢え無く降級してしまいました。
 ですがそんなことは何のその。リーグ戦に挑めること自体が指す将順位戦の楽しみ。落ちたなら次で上がればいいんですよね!と意気揚々と今回も参加を決心。同組の方にTwitterをフォローして頂いたり、絡みたいなと思いつつ遠くから見つめていた皆さんに声をかけて頂く機会が増え、充実の将棋クラスタ生活を送る日々です。

局前の準備 vsとよし☗さん

 さてドキドキのリーグ発表。初戦のお相手はとよし☗さんでした。毎期の参加コメントが印象的な方だなあと思って見ていたら、第1局から当たるということで内心ウキウキ、いきなりの対局を楽しみにしていました。
 対局相手が決まれば準備です。棋風などの情報を、のののさんのnote(勝手に宣伝)や、皆さんのTwitterなどネットの海から集めます。とよし☗さんの最近の棋譜をチェックすると───中飛車・中飛車・中飛車!!そこには中飛車党による熱闘が刻まれていました。
 さて中飛車党という情報に私は困ってしまいました。リーグも序盤にこんな情報を流すのはどうかと思いますが、私は中飛車が苦手!特に先手中飛車は自分では指しこなせず、居飛車を持てば攻め潰され・・・と指す将ライフにおける悩みのタネでもありました。早石田模様から相振りで戦う形(対左穴熊など)は勝率も悪くありませんが、それも先手番の話。どうしようかなと悩む日々が始まります。
 練習将棋の相手をして下さっている方に相談したところ、左美濃を基調にした対策を教えていただきました。それから24で左美濃や穴熊、急戦に相振りまで自分なりの対策を作るべく対局。結局駒組みや自陣のバランス感覚がうまく型にはまらず、決定打ともいうべき戦法は現れませんでした。
 どうしようかなと思案する裏で盛り上がる将棋界。コロナの影響を受けながらもAbemaTVトーナメントでお祭り騒ぎを楽しみ、棋聖戦の藤井フィーバーに浮かれながら対局当日を迎えることになります。

いざ対局!予想外の戦型に。

第5期指す将順位戦B級3組
令和2年6月8日21時於・将棋倶楽部24 大阪道場「レーティング対局室」
▲とよし☗ △やきそば(持ち時間各15分、秒読み60秒)
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △5四歩
▲2五歩 △5二飛 ▲4八銀 △5五歩
▲6八玉 △3三角 ▲5八金右△4二玉
▲6六歩 △7二玉 ▲6七金 △8二玉
▲7八玉 △7二銀 ▲7七角 △4二銀
▲8八玉 △5三銀 ▲9八香 △5四銀
▲9九玉 △6四歩 ▲8八銀 △9四歩
▲1六歩 △1四歩 ▲7九金 △4四歩(第1図)

 ▲7六歩△3四歩▲5六歩にどうしようかと考えていたら、3手目に突き出されたのは▲2六歩!歩と同時に虚を突かれた私は30秒考えて△5四歩を選びます。▲7六歩~▲2六歩にはゴキゲン中飛車は私にとって普段通りの作戦。ですが対策を外されて指すことになろうとは思わず、△5四歩にはいくらかの勇気を要しました。緊張度とテンションが高まるのを感じながら駒組みを進め第1図。気がつけば居飛車穴熊との対抗形になっていました。途中で△5四飛~△3五歩と石田流に組み替える手順も考えましたが、早々に▲6七金を決められたため却下。浮き飛車は有力だったかもしれませんが、この辺りの駒組みは雰囲気でやっている部分もあるのでわかりません!
 第1図の△4四歩ではガンガン行こうぜと△4五銀と出る手もあったかもしれません。ですが持久戦には持久戦調で戦いたいと思い角道にさらに蓋をします。とよし☗さんの右銀はどうなるかな、手順次第では指し慣れた形(これも石田流に組み替える)に合流するかな~。といったやきそばの脳内模様でありました。

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駒の押し引きに失敗!

第1図以下の指し手
▲3七歩 △4五銀 ▲3八飛 △3二飛
▲3七銀 △5二飛 ▲5八飛 △5四銀
▲8六角 △6三銀上▲5六歩(途中1図)△同 歩
▲同 飛 △5五歩 ▲5八飛 △7二金
▲3五歩 △4五銀 ▲6五歩 △同 歩
▲5三歩 △6二飛 ▲3四歩 △同 銀
▲5五飛 △5四歩 ▲5八飛 △4五歩
▲6四歩 △同 銀 ▲5四飛(第2図) 

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 互いに銀を押し引きし、△6三銀と木村美濃への組み換えを見せたところで途中1図の▲5六歩。中央にて戦端が開かれました。直前の△6三銀上は、今思えば△6三銀引で銀美濃にした方が形なのかもしれません。しかし今日に至るまで「困ったときの木村美濃」と言わんばかりに木村美濃への組み換えを連投してきた私。今回も右手の思うままに銀を上がり、その隙に仕掛けられることに。結果的に木村美濃に組み替えるですが、普通離れ駒を良しとすることはありませんので、手順にはもう少し気を配る必要がありますね!

 局面は進み、とよし☗さんが歩を使った技をどんどん繰り出していきます。取れば技が掛かるとは分かっていても、止められない止まらない。お菓子は食べるほど太りますが、歩は口に入らず手元に残るので実質ゼロカロリーですね(意味不明)。最後の▲5四飛で技あり。銀が浮いているのが痛くはっきり模様が悪くなりました。

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勝負順に運命を預けて

第2図以下の指し手
       △6六歩 ▲6八金 △6七歩成
▲同 金 △5三銀(途中2図)
▲6三歩 △5四銀 ▲6二歩成△同 金
▲6三歩 △同 銀 ▲6四歩 △7二銀
▲7七角 △4三銀 ▲3三角成△同 桂
▲2二角 △4四角 ▲1一角成△3九飛(第3図)

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 浮き駒が狙われるピンチ。何か手は無いか!ともがくように歩を突きだしたところで次の成り捨てに気づきました。本譜の手順△6七歩成~△5三銀(途中2図)が狙い筋で、なんとか飛車をさばく流れを作ることに成功。本譜は飛車の取り合いになりましたが、局中は▲5三同角成△6七飛成▲3四飛が一例で駒損が祟って勝負順も後手不利というのが読みでした。感想戦でもここで見落としがあったという話をとよし☗さんから伺いましたが、結果的には駒を無理にでも動かしていく手順が功を奏しましたね。
 さらに歩を連打され、▲7七角としたところ。ここでは△5五歩▲5四飛なら△4三銀がぴったりじゃんと考えるままに伸びたカーソルが△4三銀!
これには私も愕然としました。「先の手を考えすぎてうっかりそれを指す」…伝説ではなく実在していたとは…。ですが先受けのように働いた銀はさながら読み筋かのような煌めきを放ち、打ち込みの少ない陣形に。こんなに駒が離れていて打ち込みに強いというのも不思議なものですね。
 大駒を打ち込みあった第3図。香得+馬vs歩得+飛車の構図ですが、大駒の働きの差で玉形の差を埋めることができてたかなと思います。

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フォロワーを無くす手

第3図以下の指し手
▲7七金 △6八歩 ▲6五香 △6九歩成
▲7八金上△5二銀 ▲2一馬 △2九飛成
▲5四馬 △7七角成▲同 金 △7九と
▲7二馬 △同 金 ▲7九銀 △同 竜
▲8八銀 △6九竜 ▲6三歩成△同 銀
▲同香成 △同 竜(第4図)

 第3図からはすぐに角を切りたいところですが、対局中は成算が立たず見送りました。▲7七角成△同銀▲7八金とベッタリ迫る手がありそうですね。戻って本譜、▲2一馬~▲5四馬の手順が見えていませんでした。とはいえこちらも攻めたいところ。角を切るなら▲5四馬の瞬間ですが、その前に力を溜める手が思いつかなかったです。
 攻め込んだ龍を弾かれ後続手段が見えないまま、先手は歩成りから清算に出てきました。決め手が欲しいところですが、先手の穴熊は依然健在。成香を残して無理な攻めをすれば寄せ合いの速度負けがはっきりしているところ。勝つために△6三同竜を決断します。これにはとよし☗さんも「ブロックしようかと思いました!」の一言。友達を無くす手ならぬフォロワーを無くす手で、なんとか形勢を手繰り寄せました。

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穴熊を寄せ切る

第4図からの指し手
▲6六歩 △8五桂 ▲8六銀 △7七桂不成
▲同銀引 △6七角 ▲7五桂 △7八銀
▲5九飛 △7九銀成▲同 飛 △7八金
まで、118手でやきそばの勝ち
(消費時間=▲14分、△15分)

 攻めは仕切り直しになりましたが、△8五桂が形で打った守り駒を攻める手。続いて△6七角~△7八銀が入って寄せが決まりました。先手陣に金がないことを活かし、△7八金と受け無しに持ち込むことができました。
 序盤は完全に抑え込まれた一局ですが、なんとか攻めの速度を逆転させて勝利を収めることができました。

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改めて振り返り。次戦に向けて。

 中盤の勝負手から形勢をひっくり返した1局ですが、序盤の組み立て方は見直していく必要がありそうです。とよし☗さんは穴熊らしい積極的な手が多く、特に歩をどんどん投入する手が怖かったですね!どこで攻め潰されてもおかしくない将棋だったと思います。
 また、指す将順位戦は観戦団がいるのが緊張感を煽ってもらえるので楽しいですね。焦りがミスを生んだ部分もありましたが、それ以上に互いの対局に注目しあえるのが本当に楽しいですね。チャット欄でどのような会話が交わされていたのか、とても気になりますがそこは怖いところもあるので聞かないでおこうと思います!
 次戦に向けては、やはり序盤の精度を上げていきたいと思います。第2局のお相手は噂によれば研究家だとか・・・。序盤研究で大きな差がつかないよう、じっくり取り組んでいきたいですね。なんとか初戦を拾えたので、この勢いを維持して昇級戦線を賑わせる存在になれるよう精進していきます。ここまでお読み頂きありがとうございました!

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