第6期指す将順位戦反省会!

 みなさんこんにちは、やきそばです。指す将順位戦のリーグ戦期間が終了しました。半年に渡る長き戦いもプレーオフを残すばかりです。参加3期目となる今期、私はB級3組に所属し、8勝3敗の成績で昇級することができました。noteでは各対局について自戦記を書いておりますが、ここでは改めて全体の振り返りをしていこうと思います。

事前準備と今期の取り組み

 前期に果たせなかったB2復帰を絶対果たす、それが今期の目標でした。対局に向けては色々なアプローチの仕方がありますから、目標達成に向けてはその部分の見直しが必要でした。まずは事前準備や対局外の取り組みについて、色々の兼ね合いで変更した部分を列挙し、それらの効果について振り返ることにしましょう。

 1つ目は「情報収集の前倒し」です。リアル事情の変化があり、今期は指す順に割ける時間が減る見込みでした。そこで継続参加が予想される方の棋譜収集を1月から開始することにしました。これは準備というよりモチベーション向上に役立ったと思います。棋譜検索自体は定期的に行う必要があり、これで準備の効率が良くなったわけではなかったからです。良し悪しよりも楽しさの方が勝ったので、来期以降も何らかの形で早期の棋譜収集を続けようと思います。
 2つ目は「棋譜管理ツールの導入」です。前期は手作業で棋譜を確認していましたが、これが非常に手間でした。そこで『棋譜の管理』というフリーソフトを導入しました。大まかな戦型判別を自動で行ってくれるほか、戦型別の勝敗分析や最序盤の手順ソートなど便利な機能が目白押し。前期に行っていたことの多くを機械化できたので、大きな効率アップに繋がりました。一方で、これまで相手の棋譜に触れていた時間が減ったため棋風等への理解度は前期に劣りました。来期は意識的に棋譜に目を通す方が良いのかなと思います。
 3つ目は「上位者に意見を求めたこと」です。4月頃からA級3組のポラリスさんに棋譜添削や作戦など広範囲にわたるアドバイスをして頂きました。作戦面ではポラリスさんの客観的な意見を頂くことで、自己分析や長期的な視点を加えることができました。技術面のアドバイスも色々あり、歩の突き捨てに対する嗅覚などは昨年に比べてかなり変化したと思います。教えの全てを吸収できたわけではありませんが、頂いた言葉の一つ一つが心理面・精神面で大きな支えになりました。好不調の波があるなかで、より強い方の視点から私や私の考えがどう映るのか分かった状態で臨めるという安心感もありました。本当に感謝してもしきれません。次は教わったことを勝ち星よりも棋力に結び付けるオフシーズンにできれば、それが一番の理想ですね!

 上記3点はどれも昇級の要因と言えるポジティブな変化でしたが、うまくいかなかった取り組みもありました。今期は5月・7月に「ミニリーグ」を主催しましたが、これは功罪それぞれ大きいものでした。5月開催時はスランプ脱出のきっかけになったものの、7月開催の方は負担の方が大きくシーズン中の開催は今後控えるべきかなと思います。また、早期に集めた棋譜を利用して、開幕前までの勉強方針を決めてやろうという計画もあったのですが、当たらない人も含めた棋譜分析のコストが高すぎて失敗に終わっています。効率化は「力の配分に理由をつける建前」であって、結局それ自体は目的ではなかったような気がします。楽しいので結果オーライですが、長期的な棋力向上を目指すならもうちょっと冷静な取捨選択ができるようになりたいものです。

勝敗と戦型選択

 では次に将棋そのものについて見ていきましょう。今期の戦型と結果は以下の通りです。(※対局相手名略)

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1回戦 先手・勝 戦型:ゴキゲン中飛車(対超速・相穴熊)
2回戦 後手・ 戦型:ゴキゲン中飛車(対超速・相穴熊)
3回戦 後手・勝 戦型:三間飛車(対金無双急戦)
4回戦 先手・勝 戦型:三間飛車(対左玉系力戦)
5回戦 先手・勝 戦型:三間飛車(対居飛車穴熊)
6回戦 後手・ 戦型:相振り(先手向飛車─後手三間)
7回戦 先手・勝 戦型:相振り(先手左玉模様─後手嬉野流相振り)
8回戦 先手・勝 戦型:対ゴキゲン中飛車・左美濃
9回戦 後手・勝 戦型:相振り(先手中飛車左穴熊─後手三間)
10回戦 (不戦勝)
11回戦 後手・ 戦型:四間飛車(対ミレニアム)

 8回戦を除き今期は全て振り飛車を採用。ポラリスさんとの相談を経て地力を活かす方針を設定。新たな戦型の採用は控えて旧来から指している中飛車・三間飛車を軸に指すことにしました。特に前半戦でその傾向が色濃くでたかと思います。居飛車党に対しては角換わりの採用も何度か考えましたが、今期は見せ球として野良対局やミニリーグ、VSで指すのみに留めました。戦型予想は外すことの方が多かったですが、外れた後の方針も事前に考えられていたので、棋風等を調べた分だけプラスの効果がありました。手札が多い人だと認識してもらったことで、「やきそば対策」の焦点を絞りにくい状態を維持できたのも大きかったと思います。

 敗戦した3局はどうでしょうか。2回戦(ネブラスカさん)・6回戦(カメさん)は共に比較的苦手な形での戦いで、11回戦(動点Pさん)を含めた3局全てが「一方的に攻められ、粘りの効かない展開」でした。勝局の方には「形勢を損ねたが、粘りが効かせて勝負に持ち込んだ展開」が時折見られたので、負けパターンの可視化が進んだように思えます。また、いずれも中盤で指し手の方針に困る場面がありました。実戦経験のない形という意味では4回戦(八十さん)・7回戦(アクティーさん)も一緒ですが、この2局は戦場を見定めて戦えた感があります。勝ちパターン・負けパターンについてはポラリスさんからも意識するよう言われていたのですが、通年戦ってようやく少しずつ見えてきたところです。来期の戦いにうまく活かしたいですね。

 リーグ戦全体で言えば、連敗の回避が全体的な好調の要因だったと思います。地力発揮を重視したことで、リアル事情で心身が疲労したときに「疲労回復>>>事前準備」と割り切って休めたのが良い方向に働きました。相手分析にこだわる傾向を捨てることはできませんから、この割り切りを忘れないようにしたいですね。健康第一!!

来期に向けて

 さて、冬の訪れを目前にしてオフシーズンに突入しました。来期は3年ぶりのB級2組です。ここをどうやって戦い抜くか、そのためには開幕をどのような状態で迎えるべきか。来期のメンバーすらほとんどわからない状況ですが、自分なりの考えを書いていくことにしましょう。前期の振り返り記事に倣って、序盤・中盤・終盤と分けて書いていきます。

序盤:現状の戦型でレートの平均値を押し上げていく

 まずは序盤。定跡の勉強は今回優先順位を下げます。家には未読の棋書がありますが、少なくとも三間飛車・中飛車・角換わり・相振りから逸脱はしないつもりです。いつまでにこの定跡書を読む!といった目標は掲げず、超長期的にゆっくり勉強するほうが今の自分には合っていそうです。読みたい本はもちろんあるので、気が向いたときに読めたらえらい!というスタンスで取り組んでまいります。
 一方、24では7月に最高R1406を達成して以降、ここ数か月は1200台を中心に推移している現状があります。調子を崩さないことを最優先に、少しずつメインで戦うレート帯を上げて、最高レート更新のチャンスを待つ。そんな感じで春先まで過ごせたらいいなと思います。

中盤:鍛えるべきは秒読みの胆力か

 続いて中盤。前期の振り返り記事では安定感を課題としましたが、今期は中盤の「方針決定」が課題でしょうか。どこから敵陣に手を付けていくか、そのとっかかりの部分でのミスや、相手の攻め筋に対する嗅覚の鈍さが目立ちました。また、今期は消費時間が短くすべての対局が20分未満、15分を使い切らなかった対局が4局ありました。敗局なら長時間粘っているというわけもありません。というより、読みを入れて粘れる将棋にできていないわけですよね。中盤の読みの浅さが失着に繋がっている可能性が考えられます。日頃からしっかり持ち時間を使って読み切る訓練をするのがよさそうです。
 結果的に失着が減ればいいので、15分使い切るというよりは納得するまでしっかり考える習慣が大事だと言えます。私の場合、秒読み1分に対して50秒台まで使い切って指すというのが苦手です。手拍子で指す悪癖はなかなか一筋縄では治せそうにありませんが、秒読みに対して意識を向けて指すように心がけたいですね。15分にこだわらず、5分60秒や1分将棋みたいな設定で指すのも良い練習になりそうです。
 加えて、見える手・読める手の質を上げていくという意味では棋譜並べをできる範囲でしていこうと思います。こちらも習慣化を目指すとしんどいので、できたときに自分を褒めるスタイルでいこうと思います!(激甘)

終盤:やっぱり詰将棋

 今オフはどうにかして詰将棋に手を付けていきたいと思います。終盤力に後悔した対局は幸い無かったですが、読み抜けがたくさんあったのもまた事実。詰将棋で鍛えられる読みは対局全般に通底する基礎能力ですからね。こつこつ努力が苦手な私は、どうしてもこれをサボりがちです。前期の振り返り記事でも頑張ると書きましたが、結局はあまりできませんでした。手を付けようとすれば、やれ正答率だ手数だ難易度だと変なところにこだわって、一日一気に解くなどはしても毎日少量というのができないんですね。とはいえここで「毎日○問解きます!」と宣言しても何日坊主になるかわからないので…。ここはひとつ、2周目に挑戦中の「新版5手詰ハンドブック」を期間内に何周出来るか、というのを指標に頑張ってみようと思います。2周目は10月23日に開始して、11月13日時点で120問目に到達しています。1日5問強のペースですから、ちょっとスピードを上げてやる気のある年内にまずは3周目まで終えたいですね。その気になったら休日に一気に進めることだってできるはずなので、サボってたら声かけて下さい。年明け以降についてはリアル事情と成果を鑑みて、改めて考えるぐらいがちょうど良さそう。加えて高橋道雄九段が出している詰将棋本を何冊か持っているので、気分転換に挑戦できれば最高ですね!

さいごに

 1年でB2に復帰できると思って挑んだ昨年、7勝4敗で私は昇級を逃しました。この経験が指す順に対する私の見方を大きく変えました。今期の開幕前に「指す順を通じて成長する」「成長は昇級という結果で示す」というようなことを綴りました。その結果は最高レート更新・昇級という十二分のものでした。こうした成果が得られたことを非常にうれしく思います。
 それでも、本当のリベンジの舞台は第7期指す将順位戦B級2組にあるはず。果たして復帰先のB級2組で、「第4期の自分とは違うんだ」と第7期の私は言えるでしょうか。B3で戦った2年間分の成長を、B2で見せることができるでしょうか。将棋はあくまで趣味で、リアル事情に対する不安なども募る一方。肩の力は抜くくらいがちょうどいいのですが、できることなら来年も頑張れる範囲で頑張ってみたいというのが正直な気持ちです。頑張ります。
 もちろん、やる気が急になくなるかもしれないし、将棋を取り組む余裕なんかなくなっちゃうかもしれません。それならそれで、ルールの範囲で迷惑をかける状況でさえなければ、来期も参加したいなと思っています。昇級を目指す自分と、降級してもいいとセーフティネットを広げる自分の間には確固たる自己矛盾が存在しますが、それが許されるのが趣味の世界なのだろうと思うのです。やる気のある範囲で、元気の出る範囲で、この記事に書いたことを時折振り返りながら冬を過ごして参ります。noteの方も来期の開幕までは執筆予定は未定ですが、次の記事も楽しみにして頂ければ嬉しいです。それでは、今回もお読みいただきありがとうございました!!

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