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とうらぶ歌舞伎 散文な観劇記

千穐楽から早10日以上過ぎ、今更感もありますが観劇した刀剣乱舞歌舞伎の感想を書いてみようと思います。

まず初めに。観劇後すぐに目が足りないとツイートしましたが、観劇記を書いて、自分の語彙力も足りなかった。自覚はあったけどさーーーーー

さて、
私が観劇したのは楽日の昼の部。
しかも花道近くの前の方。気合を入れて行ってまいりました。

 開場から少し遅れていったので、外で待つことなく入場でき(しかし、限定アイスはあきらめた)筋書きを購入したり、お弁当を受け取ったりとのんびり。
 前説?で武彦さん(尾上隆松 以下敬称略)と押彦(中村獅一)が客席を歩き回り、解説したりお客さん(審神者様方)に絡んだり、「えこひいき」対象のお子様にステッカーを配ったりとここからすでにファンサすごい!!
 押彦さんに至っては、「押彦の推し!」として役者さんだけでなく囃し方や裏方の方々までも連日ご紹介いただいて、観劇日までの楽しみが増えとてもありがたかったものです。

 FFⅩ歌舞伎の時もいつもと違う客層と感じていましたが(この時は、ゲームから来た人が多そうでした)、今回もまた違た客層。
 私の場合は前の歌舞伎座のさよなら公演を機に観劇を始めたのですが、何をきっかけとしても、今まで見なかった世界に飛び込む機会があるのは素晴らしいことだと思います。

本編

 では、本編
 松也・國矢・蔦之助のお三方による刀鍛冶の場面。この三人というのが、松也丈の自主公演「挑む」を思い起こさせたし、この三人だからこその初めにふさわしい場面だと一人感慨深く、思ったものです。
 刀鍛冶を終え、少しだけ松也丈が下がり再び三人で舞台で舞い下がって数秒後に三日月宗近が出てくるのですが、代わりに気づいたのはこの時。それまで自然な流れだったので、驚きました。

 時間遡行軍の立ち回り、いきなりのワイヤーアクションで飛ぶさまは思わず目を奪われた。いつも通りお弟子さんたちの立ち回りも素晴らしいのですが、アクション俳優さん方の激しいアクションはさすがといったところ。

 前編の最後に六振り全員が出てきて、小狐丸と髭切が忙しいのは尾上「三日月宗近」松也の「おかげ」とぼやいたり、同田貫正国も自分も「それなりに忙しい」と乗っかるなど、本編の合間にあるちょっとした裏話。
こういったもの(歌舞伎だと流行り物や時節のものを取り上げるなど)があると、少し肩の力も抜けたりとこんなところもあるのねと笑ったりと好きだったりする。

 久直の最期の場面、歌女之丞氏の武家の奥方としてと母親としての様々な感情が入り混じった嘆きに子供がいる身としては、感情移入をして泣きそうになってしまった。
 また、公演中に人間国宝と認定された梅玉丈。セリフがなくとも表情や所作などであふれ出るものを感じ、ミーハーな意見ですが積み重なってきたもののすばらしさを感じることができました。(語彙力なくて伝えられないのが悲しい)

 最後、青い隈の将軍義輝。勝手に闇落ち将軍と呼んでいたが、本当に強い。立ち回りのスピード感があったり、三階さんたちの狭い場面でのトンボなど、こちらがハラハラする場面も幾重にありましたが、怪我無く過ごされてよかった。
 また、義輝と宗近の一騎打ちの場面。セリフは少ないものの、二人の表情で語るものが伝わってきてずっとこのままでいて欲しいような、何とも言えない気持ちに。最期、満足げな義輝の表情に涙腺が緩み、知盛最期を彷彿とさせる場面に、ついつい涙してしまいました。でも知盛最期と違って、静かな最期。
 この場面、本来なら本水でやりたかったのかなぁと思ったり。滝や水が描かれた背景絵があったからそう感じたのだろうと思いますが、本水での最期でも見たかった。再演の際はぜひともやっていただきたい。無論、水を浴びる気は満々。きっとそう思う方は少なくないはず!
  また、この場面の音楽も大変すばらしく、舞台も配信も終わった今、音楽配信まで聞けないのかなと残念に思っていたのですが、この曲は音楽を担当された中井智弥さんのyoutubeチャンネルで聞けるとのことで、さっそくチャンネル登録&高評価をし、他の曲も配信されるまでとうかぶロスに耐えられそうです。

音楽のこと

 音楽と言えば…
 宗近、正国、膝丸、小烏丸が四人で舞う場面があるのですが、囃し方が素晴らしくそちらばかりを見入ってしまいました。(そもそも、囃し方というのが正しいか疑問ですがmそのまま通させていただきます)
 囃し方の方は残念ながらお顔とお名前が一致する方がほとんどいらっしゃらないのですが、四振りの舞の場面の長唄のお二人のうち、客席から見て奥の方は熟練を感じさせる安定した歌に対し、手前の方は(奥の方より少しお若い?)本当にいい声で「イケボ発見!!」と一人興奮しておりました。また、公演が始まってから幾度となく話題に出た長須与佳さんの多彩なことといったら。琵琶だけでなく、尺八から唄まで。唄も美しい低音が響くアルトがまた場面にあっていたり、琵琶の独奏も撥の捌きや音の響きが本当に美しく、初めて見聞きするもので感動していました。


カテコ

舞台が終わり、大反響のカーテンコール。平成中村座の大千穐楽、澤瀉屋の新作歌舞伎、ナウシカ歌舞伎、FFⅩ歌舞伎と幾度となく、カーテンコールを見てきましたし、Twitter上での評判も見ていたので期待に胸を膨らませていたのですが、いろんな方がおっしゃったように目と手とカメラが足りないw
 下手側にいたので、見えにくかった方もいましたが、六振りや時間遡行軍が花道に出てきてくださり、しっかりと見えありがたかったし、それより時間遡行軍のお一人、カテコの幕が上がった瞬間、すでに感極まったお顔をされていて(昼の部がその方の千穐楽だったのかもしれませんが)、夜の部も頑張れ!!とひそかに思ったことも。あとはなかなかお顔を拝見できない囃し方の方たちも写真に収められ(何人かは目線をいただけていた!)たりと、貴重な体験をさせていただきました。

 無論、帰りの車内ですぐに配信を購入し、夜の部も拝見することができ、カテコの大賑わいとか、松也丈の話の間の時間遡行軍の骨くんたちの動きが可愛くて萌えたり、配信決定してぴょんぴょん跳ねる中井智弥さんに萌えたりとか感情のジェットコースターがすさまじかったですw

さいごに

 松也丈はまだまだ若い役者さんですが、ここまで作り上げられたこと、門閥関係なく多くの若い役者さんたちでここまで素晴らしい舞台が見られたことが本当に幸せでした。
 多くの関係者の方々に御礼を申し上げますとともに、再演とBlu-ray化を何卒お願い奉ります!!!!!!

押彦、武彦による前節
演舞場前の巨大ポスター
お美しい小烏丸
可愛いまるるじゃなくて、髭切
三日月宗近と同田貫正国。正国いいお顔
囃子方と雲居姫様
連日ツイートを賑わした膝丸
もはや貫禄ある小狐丸
楽しそうな時間遡行軍
楽日だけど拡散!
雲居姫様のお仕置き?をちゃんと撮れたw

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