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ラオス語の ໃຫ້ の訳し方 -「あげる」とそのほかの意味

いつも記事を見ていただきありがとうございます。

7月ごろからラオス語の翻訳をやっていましたが、一段落しました。苦労したことや工夫したところなどを備忘録として記録していきたいと思います。ただあまりにも専門的、というかラオス語に関するマニアックな内容ですので、ほとんどの人はなんのことやら意味不明だと思います。。。
もし周りにラオス語について興味のある人がいれば教えてあげてください笑

今日はラオス語のໃຫ້について書きたいと思います。
それでは、ໃຫ້ の意味を紹介しながら、翻訳時のポイントなども触れたいと思います。

1.(ものなどを)「あげる」
ໃຫ້ເງິນ と言えば「お金をあげる」となります。ほかには ໃຫ້ຄຳແນະນຳ「助言を与える」、ໃຫ້ຄຳຄິດເຫັນ「意見を述べる」と言うこともできます。
抽象的な言葉を目的語にして、ໃຫ້ຜົນ「結果を出す」、ໃຫ້ຄວາມສົນໃຈໃນ ~「~に関心がある[を向ける]」、という言い方もあります。

2.動作の方向性を示す「~に、~へ」
ເອົາ A ໃຫ້ Bと言えば「AをBにあげる」という意味になります。ເອົາは「取る」「持ちあげる」という意味です。「Aを手に取ってBにあげる」というイメージです。
ほかにも ສົ່ງ ເງິນ ໃຫ້ A「お金をAに送る」、ຍື່ນ ອັດເອກະສານ ໃຫ້ A「書類をAに提出する」など、移動動詞と一緒に使います。
ໃຫ້ だけでもいいですが、ໃຫ້ແກ່ という場合もあり、意味は同じ「~に、~へ」となります。
例:ແຈກຢາຍ ສິນຄ້າ ຕົວຢ່າງ ໃຫ້ແກ່ລູກຄ້າ「試供品を顧客に配布する」

3.使役の「~させる」
使役の ໃຫ້ もめちゃめちゃ使いますし、便利です。
基本形は「ໃຫ້ + 人・もの + 動詞」です。
いろいろな場面で使い、使役の強制力の程度も様々です。例えば、許可を与える場合はこんな風に言えます。
(子どもがお菓子を食べたいときに)ແມ່ໃຫ້ລູກກິນຂອງຫວານ「お母さんは子供にお菓子を食べさせます」
ຂ້ອຍຈະແຈ້ງໃຫ້ເຈົ້າຮູ້ と言えば「私はあなたに知らせます」となります。

また、強制的な使役にも使えます。
ໃຫ້ປະຊາຊົນຈ່າຍອາກອນ「国民に税金を払わせる」
否定形にすると禁止になります。
ບໍ່ໃຫ້ເປີດຮ້ານຫຼັງຈາກ 20 ໂມງ「20時以降お店を営業させない」

私が翻訳をするときには、なるべく訳が統一するように、基本形として、次のように翻訳しています。
強制的な使役:「~しなければならない」、「~するものとする」または「~すること」
禁止:「~できない」または「~しないものとする」
許可:「~できる」

余談ですが、「1」と「2」の用法を見比べて、こんな風に言ってもいいの?と思った人もいるんじゃないでしょうか。

ຂ້ອຍໃຫ້ເງິນໃຫ້ເຈົ້າ「私はあなたにお金をあげる」

1つめの ໃຫ້ は「あげる」、2つめの ໃຫ້ は「~に」ということですね。
この言い方は、文法的には正しいようです。ただ私はあまり聞いたことがなく、ຂ້ອຍເອົາເງິນໃຫ້ເຈົ້າ という方が自然な言い方のように思います。

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