ダイアログ・イン・ザ・ダーク「五感」|Memo
外から光の入らない部屋の中に入り、点いていた照明を落としていくと、ほんとうに、ほんとうに真っ暗で何も見えなくなりました。少しばかりも、うっすらともぼんやりともほのかにも、床も壁も天井も座っている椅子も、隣に座っていたはずの人のシルエットも、顔の前にかざしてみた自分の手のひらも指先も、目からは伝わらなくなりました。
気づくと、僕は頭をいろんな方向に向けるようになりました。一緒に部屋に入った人の行動はさまざまです。手の届く範囲を触りまくる人も、状況を声に出して探る人も。あとで思