丸めたティッシュくらいの柔らかさ

たくさんのいい人たちに囲まれてそれは違うと言えなくなった

天国は遠いんだってそれだけで憂鬱なのにバスも来ません

明日食べるパンとか落ちたペンだとかどこまでぼくかわからなくなる

微笑んだような気がして人類は揺らめくものを見つめてしまう

食パンは死ねないくらい柔らかく誰も飛ぼうとしなければいい

細マッチョ的なフォルムで湯をわかす新品のガスコンロの炎


「いや、ぼくはあんまり飲めないんですよ」扉の閉まる音が聞こえる

ぼくたぶんきみになれない 傘の柄が折れてしまった木曜の夜

人間は丸めたティッシュくらいには小さくなれる 闇の中では

水槽に落とした嘘を覗き込むもう食べられたかもしれないな

誘われるままついて行き不機嫌な顔で過ごして今日はおしまい

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