シンデレラで100本記事を書く(2/100)

主人公シンデレラの一生

まずは、おおよそみんなも知っているシンデレラの
主人公シンデレラの深堀をしていきます

寝物語においては、正しいシンデレラではなく
話し手が自由に解釈するお話

あくまでもシンデレラのストーリーは
寝物語を語る上での例文的な存在です
どう解釈するのも自由ですが
考えれば考えるほど、いろいろな事に思いをはせることになります

今回は青空文庫などから出ているシンデレラの訳本をベースに
主人公シンデレラについて
史実ではないですが、一般的に伝わるシンデレラを語っていきます

正史におけるシンデレラ

Wikipediaのシンデレラの記載によれば
シンデレラのようなストーリーは、グリム童話以前にも存在していたそうです

父親の連れ子であったり
外国人の召使いであったり
あまり良い立場でない娘が主人公なのは変わりません

私としては、古典文学の研究者ではないので
「シンデレラ」の歴史的な解釈は重視してないですが
シンデレラが生まれた背景としては
どこにでもあるような話だったんだなと思いました

主人公のシンデレラがどんな人物なのか
寝物語を語るうえでシンデレラを知ることは重要です
まずは、シンデレラと言う少女はどんな娘なのでしょうか

純真無垢の少女

青い鳥文庫や個人のブログでも、シンデレラのストーリは読むことができます

そういった中で書かれるシンデレラは
彼女が純真無垢で心優しい少女であることが強調されているように感じます
この辺は継母や義姉との対比なんですかね

そして、いじめられたシンデレラは
母親のお墓の前や、自分に与えられた粗末な部屋で
毎晩泣いて、ぐっといじめを我慢しています

彼女の特徴として
継母や義姉達を強く非難しない事です

いじめられるのは、自分がいけないから
だから、頑張っていつかは幸せになりたい
そんな幸せを願って、今は必死に耐え忍ぶ
そんな姿がシンデレラの物語では描かれています

逆に言えば、シンデレラは他の物語の主人公たちみたいに
困難に立ち向かう勇気はまるで持っていないようでもあります

いつ終わるかわからないつらい生活に
純真無垢な優しいシンデレラは耐えるしかない
そんな序盤で物語は進みます

彼女の希望と望み

シンデレラのこういった精神性は
幼いころの母親の愛があった事が根拠の様に思われます

実の母親に愛情いっぱいに育てられたシンデレラ
そんな愛情を知っているから
自分が良い子でいれば、いつかまた母親が帰ってくる
そう信じているから
そう願っているから

いじめられても
悲しくて毎晩泣いていても
戦うでも、反抗するでもなく

まるで嵐が過ぎるのをじっと耐えるように我慢しています

しかし、シンデレラを読んでいる我々は想像するでしょう
もし魔法使いが来なかったら、いつかシンデレラは過労か絶望で死んでしまう
そうでなくともこのまま我慢していても、幸せにはなれない可能性が高いだろうと

そして、シンデレラの象徴的な願いとしてのお城の舞踏会へ行きたいと願います
皆さんも知っての通り、王子と結婚するきっかけになる出来事です

今まで我儘はおろか、自己主張もしていなさそうな彼女から
(原作では父親に木の枝をねだるシーンがあったりしますが)
舞踏会に連れて行ってほしと強く願います

もしかしたら、ストーリーをシンプルにしたため
シンデレラの自己主張は削られてしまったのかもしれません

そして、手助けを得てシンデレラは王子と出会います
それも、美しく着飾って、遅れて舞踏会に乗り込みます

シンデレラは美人だったから

この物語の不思議な所は
シンデレラの精神性
純真無垢で優しい少女である事は必要だったのか
という疑問があります

シンデレラが王子様と結婚できたのは
精神性より見た目で決まったように描かれているように思います

そうなると、いつかは老いて今の美しさは失われてしまいます
(年齢相応の美は得られるかもしれませんが)

そうなると王子は若くてきれいな女性に目移りしてしまうかもしれません
(そもそも、顔でシンデレラを選んだわけですし)

シンデレラは結婚して、愛を得てもまた不幸になるかもしれません
無垢で優しいシンデレラは
自分自身を責め、また我慢してしまうでしょう

今度の魔法は年齢すら逆行させるのでしょうか?

スナックシンデレラ

いずれは、社会にもまれ
つらくて苦しい経験を積み上げ
場末のスナックで、美人なママとして
自分の若いころの話をしているかもしれません

この辺は私の妄想ですが
シンデレラという少女を語る上で
彼女の主人公としての生い立ち
そしてその後

考えすぎかもしれませんが
シンデレラを読んだら想像しませんか

ただの連れ子で
意地悪されて
なんやかんや王子と結婚したシンデレラ
そんなシンプルな話でも
それはそれですが
(寝物語は語り手の自由な物語です)

主人公シンデレラは美しいだけの
ただ耐えるだけの
そんな悲しい少女で終わらせていいのでしょうか

子供の時からもっと幸せになってほしいと思ってはいけないのでしょうか
結婚できて良かったねで終わっていいのでしょうか

小さい子供にシンデレラを読み聞かせるには
よくよく考えるとだいぶヘヴィーな話です

正史シンデレラの語り方

シンデレラと言う少女を語るには3つのポイントが必要だと思います

1、愛に飢えている
自分を生んだ母親に愛されていた
少なくとも愛してもらっていたと心の支えにする程に
母親からの愛をシンデレラが感じていた
(おい、父親はなにしてんの)

2、耐える以外の方法を知らない(箱入り娘であった)
友達や親以外の人との関係性が薄いのは、
彼女を助けたり相談する相手がいない事からわかります
また、本などに触れる機会が少なかったのだともおもいます

3、悔しいではなくて、悲しくて泣く
シンデレラは何か問題があるとその責任を自分に帰結させます
自分が本当の娘でないから
自分の頑張りが足りないから
自分の何かがいけなかったから
「あいつらはクズだ!」とか、「なんでわかってくれないの」
みたいな事はシンデレラは言いません
ただ泣いて我慢するのです

正しいシンデレラを表現するうえで
上記三つのシンデレラの心情があった方が
魔法を使って(現状を打ち破る大きな力を使って)
王子様と結婚する(愛をくれる相手と出会う)
という話に感情が揺さぶられるのだと思います

本当の母親と語れない

余談ですが
今回本当の母親と言う表現を避けています
これは、義母(育ての母)が必ずしも悪と書きたくないからです

シンデレラのストーリーは物語の都合上
義母は悪役です

ですが、あくまでもシンデレラの中だけの話で
例え解説であっても
本当の母親、偽物の母親とは書きたくないと
途中まで書いていて思いました

シンデレラを考えて気づいたことですが
本当=良い
偽物、代わり=悪い
はどうなんですかね

なんど見返してもシンデレラは未だに発見があります

寝物語って凄いですよね

と言うわけで次回
別に昔もその後も幸せだって良いじゃない
「異史シンデレラ」です

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