命の芽吹き
実家の近くの河原が好きだ。
川の音に耳をすませながら堤防を歩く。時には石だらけの河原を歩いて川のそばまで行く。
けど、3月に久しぶりに行ったときはあれ?って思った。
こんなに緑なかったっけ?
「雪が降るから一回全部枯れるんだよ」って母が教えてくれた。
春。桜が綺麗だった。
そしてその桜も終わろうとしている。
だけど隣の木には新しい命が芽吹いている。
緑がまぶしい。
木々が、草花が、春を喜んでいる。
大地の、生き物の喜びが伝わってくる。
枯れた茶色い河原を見た分、余計にそう感じたのかもしれない。
ふと思った。
枯れててもいいんだと。
木は(正確には枯れてないけど)、裸の時期があって、花が咲いて、葉っぱが出て、緑になって、色が変わって、枯れる。
いろんな姿を見せてくれる。
それが美しい。
私も。
枯れててもいい。
プラスな時もあっていいし、マイナスな時もあっていい。
どんな姿を見せてもいい。
変わらない自分・変化を隠す自分よりも、変化する自分が美しい。きっと。
そう自然が教えてくれた。
(おまけ)
種は遠くまで運ばれる。
知らない土地に行き着くこともあるだろう。
そんなときも決して嘆いたりしない。
新しい命がそこに根付くことを願っている。
だから私も大丈夫。
遠くに行っても自分は何も変わらない。
きっと生きていけるだろう。