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ネタバレ注意『トレインスポッティング』感想 こんな青春送りたい?

舞台はスコットランド

物語の舞台はスコットランドの田舎町です。何もなく、皆の活気が消え去っています。そんななかで過ごす主人公マーク・レントン は、仲間とドラッグの毎日です。何度かドラッグ断ちを試みるのですが、いつも失敗に終ってしまいます。途中赤ちゃん関係で精神的にショッキングな場面もあるので、そこも要注意なのですが、全体的にドラッグ描写がなかなかエグいです。ラリる様子や禁断症状の様子などがでてきますが、絶対に自分はドラッグはやりたくないと思わせてくれますね。

スコットランドの自然はとても綺麗なのですが、この映画で映されると、なんだか汚く暗く見えます。

全員クズの世界

主人公含め本当にクズしかいないです。一番マシなのは主人公なのですが、周りも皆の足を引っ張ってばかりですし、自爆して落ちていく人間もいます。タランティーノ映画でもこんなにクズ率は高くないでしょう。観ていて絶望な点はクズは全員希望や信念を持っていないということ。タランティーノの世界では、皆が信念を持っていて、世界に対して食って掛かっている人物が多いです。ですがこの作品では、現実をだらだらと過ごし、生活を変えようとう人間がいません。主人公がちょっと前進しようとすると仲間が寄ってたかってトラブルを持ってきます。そしてまた地獄へと戻されます。まったく美しい友情ですね。

ラストもスッキリはしない

こんだけドロドロとしたストーリーなら、ラストくらいはスッキリしても良いのですが、あまりそうはなりません。ラストは主人公が仲間とドラッグの売買で得た金を持ち逃げして終わりますが、なんだかスッキリする終わり方ではありません。裏切ってやった!みたいなスカっと感はあるかもしれませんが。唯一良心的だった仲間に金をちょっとワケていますが、これも大した使い道にはならないのでしょう。なにもかもスッキリしません。挿入歌によりスッキリしたような錯覚をさせているだけです。

苦手な人はいそう

正直自分は苦手です。観ていてネガティブ要素しかありませんし、田舎特有の閉鎖的な社会が存分に描かれています。ただ、この作品を観ることにより、自分の生活を見直すことができます。自分の選択、自分の未来は本当に望んでいるとおりになっているか。もがいても逃れられない沼の中に沈んでいないか。それすら気づかせてくれなかった現実に、この作品を見ることによって気づくことができるでしょう。案外この現実も同じようにクズ人間ばかりなクソな世界かもしれません。まあ、もし自分がこの作品のような世界に生まれていたら、ホラー映画よりも発狂するでしょうね。

ヒットはしていますが間違いなく賛否分かれる映画だと思います。2017年に続編が公開されましたが、正直まだ観たいとは思いませんね。。。気になった方は是非観てみてください。

サントラは本当に素晴らしいです。汚れた暗い世界を芸術的に飾っているのは、挿入歌たちのおかげです。特にUnderworldのED「Born Slippy」が良かったです。

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