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ネタバレ感想『蜘蛛の巣を払う女』誰も知らない彼女の過去

リスベットの過去とは。誰も知らない真相に迫る。

世界的ベストセラー「ミレニアム」シリーズ4作目にあたるこの作品は、監督を『ドント・ブリーズ』のフェデ・アルバレス、製作総指揮に『エイリアン3』や『ゴーン・ガール』のデヴィッド・フィンチャーを迎えて作られた。前作『ドラゴンタトゥーの女』からはキャストが一新し、主人公のリスベット役を『ファースト・マン』にも出演しているクレア・フォイが演じた。

前作の要素を受け継ぎつつアクションが多めとなった今作は、前作を観ていない方でも気軽に楽しめる作品になっています。まるで『007』を観ているかのようなハラハラに、時間があっという間に時間が食われてしまうことでしょう。

感想

うわべだけだと『007』。しかしただのアクションとハッカーの映画にあらず。
まず何といっても、映像の美しさには見惚れてしまう。黒を基調とした世界観では、どこをとっても黒ばかりである。黒い服、黒い自動車、黒い拳銃に黒いPCその中で一点、リズベッドの姉カミラだけが赤色をまとっている。黒の世界はリズベットが見ている世界を映しているとして、そのなかに浮かびあがる赤色は、どこか不気味に感じられる。

この作品の魅力は2面ある。前作を観たことのない人であれば、この作品はハッカーが活躍するアクション映画としてとても楽しめると思う。しかし前作を観た人にはみえてくる、彼女の押し殺した感情の素直さに思わず涙が出そうになる。『ドラゴンタトゥーの女』は事件にまつわる人間たちのドラマ。今作では彼女に焦点を当てたドラマだということが秘密の扉のようにのぞかせる。

まとめ

終盤に思わず目頭が熱くなった自分は、ミレニアム(ドラゴンタトゥーの女)から始まるリズベットの物語に夢中になってしまった。彼女をもっと知りたい。まるでミカエルが彼女に抱く気持ちに似たものが生まれつつあることに気がついた。

続編を待望!とも少し違うのだが、今後は新たな原作が出版されることを気長に待ちながら、公開された作品を時々見返したいと思う。

最後にタイトルについて、WEBの語源が蜘蛛の巣からきているんですよね。なので原題の『The girl in the spider’s web』はとてもしっくりとくるタイトルだと思いました。邦題も『蜘蛛の巣を払う女』もぜんぜん的外れではないんですけどね。

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