#029. 棺蓋徐定
家賃と民度は比例する。
という説がある。そんな気もするが例外もあるだろう。そんな時には「諸説あります」だ。
叔父が他界した。思えば接点の少ない人だった。過去形である。親戚一同が揃う恒例の新年会でも1回か2回しか見たことがない。ああ、さすがに祖母の葬式では、たぶん。
思い出した。どういう経緯か、引っ越しの手伝いをしてもらった。トラックの運転手だ。道中ずーっと押し黙っている。無口なのか。照れてでもいたのか。まるで分からない。
到着。即座に一言。
すぐ引っ越したほうがいいぞ。
いまになって思えば妥当な判断だったと思う。確かに良い物件とは言い難かった。色々あって2ヶ月くらいで引っ越した。
ただ、地味に悩ましいのが、ここに住んだからこそ親友との出会いがあったという偶然。差し引きゼロってことでもない。塞翁が馬のほうだろう。
棺を蓋いて事定まる。
すぐにではなく、少しずつ思い出していって定まっていくものらしい。
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