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ケムシの日 - 999文字

野鳥が何を食べるか。

いろいろ食べる。
面倒なので列挙はしない。

そのひとつに虫がある。
そして虫にもまた色々いるわけで。

まぁ、いいや。
本題に入ろう。


ケムシである。

野鳥がたくさんいる。
即ち、その餌も豊富である。

当然のお話である。

野鳥は見たい。
しかし、ケムシは見たくない。

そうは問屋が卸さない。


さて、その日。

林の中を歩いていたら。

道の真ん中に、
ぶらーん、と。

おっと。

少し手前で気づいた。
危ないところであった。

とりあえず、撮っとくか。

道の真ん中である。
ぶら下がっている小物体である。

ピントが合わん。

設定を変えたり、
マニュアルフォーカスにしたり。

何枚か撮って、
まぁ、こんなものか、なんて思った、ら。

首筋に。

ぺたり。

いまにして思えば、
なぜあれが瞬間的に判別できたのか。

まぁ、目の前のそれが
最大のヒントになったのだろうが。


うひゃあ!

即座に払いのける。

確かな手応え。
相応の感触。

これが、なにもない、駐車場のような場所なら、
ふっとんだケムシを確認できるだろう。

が。

薄暗い林の中である。
分かりゃしない。

飛んでいったのか、
まだ首の近くにいるのか。

ひゃーひゃーいいながら
首の周りを払い、服をばたつかせる。

どうやら、
どこかへ行ってくれたらしい。


ふーーーー。

まいったね、こりゃ。

汗をかいたのが分かる。
冷や汗ってやつか。

ふぅ。

額の汗を、指先で、ちょいとぬぐう、、、え?

汗の、水の感触じゃ、な、い、ぞ!

長さが3~4cmくらいで、
直径が4mmくらいの、なにか。

そんな、やわらかい、なにか‥‥。

またか!

気づけ!

うひゃああああ!!


早足でヒナタに出る。

ここならば降ってこないだろう。

それにしても、すっかり油断した。
ケムシ対策が必要だな‥‥。

で、なんとなしに、
3~4cm、4mmを指で再現してみた。

左手の、親指、人差し指、中指で、
エアーケムシをつまむ感じで。

そして、なんとなしに、
その指をひょいと上げてみたら。

親指の、付け根に!

ひゃぁ!

凄い勢いで左手を振ったら
どこかへ飛んでいってくれた。

心拍数が上がっている。

寿命が縮んじゃうぞ。
まったく‥‥。

手袋で気づかなかった。
これはまぁ仕方ないか‥‥。

‥‥。

あ。

なんか。

嫌な予感。

右手の同じ場所を見る。

こんにちわー。

うひゃあああああ!


てなもんで。

そのあと3匹ほど降ってきましたが、
またか!、で、振り払えるようになりました。

慣れたのはいいのですが、
幸いにも毒のない種類だったようで。

気をつけましょうね‥‥。


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