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漫画「特攻の島」完結 舞台 大津島を訪れて

2018年2月16日 漫画「特攻の島」9巻が配信/完結しました。作者は「海猿」「ブラックジャックによろしく」で知られる佐藤秀峰さん。週刊漫画TIMES(芳文社)で連載され、昨年12月8日に最終話が掲載されました。

2月16日現在、最終巻の配信を記念して既刊1〜8巻が無料で読めるキャンペーンが各配信ストアで開催中(太っ腹だ…!)

☆キャンペーン情報☆

「特攻の島」作品完結記念 無料キャンペーンのお知らせ|マンガ on ウェブ(http://mangaonweb.com/news/2018/02/15/454

特攻の島 シリーズ一覧ページ|マンガ on ウェブボイジャー店(https://mow.voyager.co.jp/publication/9784866650234)←ちゃっかり私が担当しているストアの宣伝です

私が「特攻の島」を読み始めたのはつい最近。正直なところ戦争と言われてもイメージがいまいちピンとこなかったし、そういったテーマの作品を食わず嫌いしていた。しかし、漫画ということで思い切って読み始めた。

第1話で現れる特攻兵器「回天」。見開きページでその姿を初めて見た時はゾクッと来た覚えがある。こんなものに本当に乗って突っ込んで行ったのか…そこから漫画を読みつつ、自分でも特攻や回天のことを少し調べるように。

・飛行機による特攻は、体当たり直前に操縦者が脱出するというもの

・死ぬかもしれないが、生きる可能性もわずかにあった

・しかし、回天は違う 生還は皆無

・戦死者の平均年齢は21・1歳だったという

自分よりも5〜6歳年下の若者がこんな局面に際していたのかと分かった時、どんな思いでこの島に少年たちはやって来、出ていったのか自分も知りたくなった。そう思ったら行動へ、大津島一人旅へと繋がった。

※ここからはただただ、その時撮った写真をぱらぱらと。現実の「特攻の島」のイメージが掴めたら幸いです※

〜 大津島探訪 つらつらと写真と感想〜

東京から大津島へは片道約5時間という長丁場。新幹線で徳山駅まで出て、そこからフェリーに乗り換え。

地元の人たちだったのかな? 5〜6名で大津島を目指すことに。天候は曇り。小雨が振っていたけれど、次第に晴れ間が出てきた。

そして到着! 見渡す限りの広い海。そして誰もいない…島の案内図はないかとうろうろ。

なんとざっくりで分かりやすい! 島の地図を発見し、まずは発射訓練基地へ。橋が島から伸びて建物が飛び出している所を目指します。

長いトンネルを抜けると訓練基地が目の前に。漫画でもこの場所はたびたび登場していたな。現地に行ってびっくりだったのは、とんでもない風! そして寒い! 身体が吹き飛ばされそうになりながら、なんとかたどり着きました。この場所で「死と向き合いながら訓練していたんだ」と思うと胸がいっぱいに。

続いて向かうは、回天整備工場跡。奥に見える緑屋根の建物は大津小学校で、手前の場所に整備工場、兵舎があったそう。

ここから島の頭頂部を目指して山登り。魚雷見張所跡が次の目的地。とにかく険しい道のりで、足はガクガク。片道20分かかったかな。途中トイレに行きたかったけれど、行くも地獄戻るも地獄でなんとか我慢で凌いだ記憶…

ようやく到着。こんなところで見張りをしろと言われても、建物の中からじゃ遠くは良く見えないよ! 柵の際まで立って、ようやく海全体が把握できる感じ。本当に機能していたのだろうか…? 行って見て分かるってやつですね。

山の頂上付近は展望広場! たった1人、妙な達成感(漏らしそうだったけど…)

息を整えて下山。回天記念館へ。仁科 関夫と書かれた石碑に足がとまる。「漫画で描かれていることは、決してフィクションなんかじゃない」という当たり前のことを、改めて感じる。施設の隣には回天のレプリカ。第一印象は小さい!! 座ってやっと一人分、自分だったらこの中で正気を保つことはできないだろうな。展示物を一通り見たけれど、遺書は目頭が熱くなった。愛する人のために残す最後の言葉。なんで、この若者たちが死ななきゃいけなかったんだろうとグルグルと考えてしまう。

回天記念館 - 山口県周南市(https://www.city.shunan.lg.jp/site/kaiten/

大津島探訪は以上! フェリーで徳山駅まで戻り広島へ。一泊して、お決まりの観光地をめぐる。知らず知らずのうちに戦争と平和を考える旅となった。

原爆ドーム駅すぐのおりづるタワーにもお邪魔。タワーを外付けのスロープから登ることができて、ここでも佐藤秀峰先生の作品を見ることができた。一面の折り鶴、迫力がすごかった。上りも下りも徒歩で作品を堪能。

前半と後半の落差の激しい雑記になってしまった…! これは改めて写真と文章を整理しよう。


昨年「漫画 君たちはどう生きるか」吉野源三郎 (著),‎ 羽賀翔一 (イラスト)が話題となった(まだ読んでいないけれど…)。「特攻の島」を読み終わった時、「君たちはどう死ぬのか」と問われているような気がした。”死”と直面することで、考える”生”。まだ、自分にはどう死ぬのかなんて想像がつかない。でも、心構え、先に死んでしまうだろう親のことをちょっと意識するようになった。第7巻 特攻の間際、最期に言い残すことはないか…? と問われた時に「母ちゃん…」と隊員が言葉をもらすシーンがある。もう、何度も読み直しているけど、本当に心が苦しくなる。改めて「特攻の島」を多くの人に読んでもらいたい。

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