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映画の話

『前田建設ファンタジー営業部』

めっちゃ面白かったです。
うっかり、何度も、声を出して笑ってしまいました。

実在する建設会社のお話です。
現在、40代、50代くらいの人だったら、大半の人が観ていたであろうアニメ、『マジンガーZ』の格納庫(マジンガーZが出てくるプールみたいなあれです)を、実際に作るわけでもないのに、「俺たちの技術をもってすれば、可能なはず!」ということで、本職の人たちが、大真面目にシミュレーションして工期と予算を打ち出す、というストーリーです。

アニメをみていた人は、きっと、懐かしさに笑みがこぼれる瞬間が何度も出てくることでしょう。そして、頭の中で「そぉらにぃ そびえるぅ くろがねのしろぉぉ~」というあの主題歌が浮かびまくることでしょう。

もう、力の入れ方がおかしい!方向がおかしい!
次々に立ちはだかる難題に頭を抱え、絶叫し、奔走する社員たち。
高杉真宙くんの目力が最大限に活かされています。
もう、正しく笑えます。
こう来てほしい!と思う方向に真っすぐ突っ走ってくれるのが気持ちいい。
ああ、でも、この、バカバカしさと緻密さの面白味は、大人だからこそ伝わるものなのかなぁ。高校生くらいからだったら楽しめるかな。
でも、こういうのを観て、建設業の世界が面白いと早いうちに興味を持って天職に出会えたら、それもまたよし、かと。

これは、テレビで連続ものでやっても面白かったかもなぁ。
一見、TBSの日曜9時っぽい。
でも、なんか『電車男』の香りもする。
六角さんが出ているからかしら。恋愛要素はほんのちょっぴりだけ。
あとは、もう、ひたすら本気でマジンガーZの格納庫を作るシミュレーションをする大人の話です。

土木について、こんなに長い時間目にしたことも聞いたこともなかったので、なんか、改めて、スケールが大きいというか、こんな難しい世界のことを引き受けてくれている人たちがたくさんいるのだなぁ、と思いました。

そして、こんな風に自分の仕事を愛せたらいいなぁ、と思いました。
こんな会社が実在すると知ることができて、なんだか元気になりました。
こういう会社で仕事をしてみたいと思った人は、きっとたくさんいることでしょう。

この映画は、エンドロールまで丁寧に楽しく作られていて、それもまた嬉しかった。いつも、「これ、終わったけど、もう見ててもしょうがないよなー」と思いながらも、なんとなく座ったままでいることが多いのですが、今回は、知らない名前が流れていても、ひとつひとつが丁寧でかわいくて、愛おしかったです。

本編の途中、ちょっとだけダレちゃったけど。
でも、総じて面白かった。
たくさん笑って、幸せな気持ちになった。

高杉くんと上地さんの居酒屋シーンと、オープニングがもう一度見たい。