見出し画像

映画の話『ベイビーブローカー』

タイトルと予告CMで言っていた「衝撃と感動」から、諸々想像して鑑賞してまいりました。

韓国だし。是枝監督だし。
かなり期待して出かけました。

ネタバレまではいきませんが、観終わった人向けです。
これから観る予定の人は読まない方がよいかと思います。

結論から言うと。
ミステリー要素は無かったです。
あると言えばあるけれど、「だよね。」くらいのものです。
衝撃は受けませんでした。
それよりも、家族とは・・・な話です。
『万引き家族』の方が濃度はあったと思います。

これはこれで、「いいお話」ではあるんですよ。
韓国が舞台だと人間味あるなぁ、とか思ったり。
生まれた環境が恵まれなくても、こんな風に他人と繋がれることができるのであれば、強く生きていけるのにな、と思ったり。

でも、もったいない。せっかくなのに、もったいない。
そう思ってしまいました。
あちこちで意味がありそうな気配を残すのに、結局最後まで描かれていない。伏線回収しないまま?みたいな。
パート2の予定でもあるんですかね。
でも、そこを描いてくれないと、感情移入できないんですよ。
なんで、その人はそこまで顔を歪めているのかがわからないまま、最後は優しい人になっている。端折られている感。
私がわからないだけ?
いや。それにしたって、もう少し、ちゃんと伝えて欲しいかな。

そもそも。
主人公のブローカーは、いい人なの?悪い人なの?
犯罪は犯罪だけど、本気で子どものためにも良いだろうと思っているの?
「その後は知らない」という金儲けのためだけであれば、非情だし。
なのに。
自分にも娘がいるからか、悪人にしては、きちんと赤ん坊の世話をしているし。
でも、やっぱり人身売買で、高値重視なわけで。
だけど今回だけは、こんなにいい人になっちゃうの?
なんで?母親と行動するようになったから、にしても、そんなにすんなりと優しい考えに?
途中でついてきちゃう子どもについても、悪人なら、まずはその商売を守ろうとする動きをするだろうに、これまたすんなり仲間入り。
そこまでに至る気持ちの動きとか理由が今一つ薄いというか。
ただただ「感情移入できない」。

静かに「ああ。ここはいいなぁ。」というシーンもありました。
多分、みんな同じところで感動して、同じところでキュンとしているだろうなぁ、と思います。

悪くはないけれど、お金を払ってもう一度観たいかと言われたら。
行かないなぁ。
でも、テレビで見るよりは、映画館で見たいかなぁ。

映画は、大抵映画館で見たいと思うけど。
ストーリーが好きで、大画面でなくても背景から伝わる温度感は、別にさほど重視しないかな・・となれば、テレビでも何度でも見たいけれど。
たとえば、単なる恋愛映画とか、推理ものとかで面白かったものは、映画館でも見つつ、テレビでも見たいけど。
映画館で見るからこそ伝わる迫力や感動があるものと、映画館で見たからまだ伝わるものがあったのに、というものがありますよね。
映画館で見ると、雰囲気に押されるところはあるというか。
そういうあれこれを考えながら鑑賞していました。

最後にちょっとそれますが。
『パラサイト』を観た時も、これが日本映画だったら・・・
と、ついつい日本人の役者さんの顔が浮かんでいました。
今回も、女性の刑事さんを見た瞬間に「鬼奴?」と思ってしまったのと、その部下の刑事さんも「市川実日子もしくは柴本幸だな」と思いました。
あと、無性にカップヌ-ドルが食べたくなりました。

以上です。