映画の話『ハニーレモンソーダ』

いやぁ。
正直、行かないつもりだったんですよ。

なんか、申し訳ないような気がしたから。
若い皆様のせっかくのシュワキュン空間に、私のような歳の人間がいたら、ちょっとテンション下げちゃうかな、とか。
アンチの人に「ファン層www」とか言われて、悲しい思いをさせてしまったら、とか。

でもねー。
子ども(特にスノ担ではありません)にも言われたんですよ。
「初主演映画を観なくて、ファンといえるの?堂々と行けばいいんだよ、そんなもん!」と。
うちの子のこういうところ、好きです。かっこいいです。

その他にも心配なことがあり。
CMとかで流れるあの声の出し方やキラキラシーンの数々を見ていると、「・・・・うーん。」となってしまって、これはお互いのために観ない方がいいのかもしれない、という気持ちにもなって。

それもまた子どもに言ったところ、
「いいんだよ!そんなもん、黒歴史になったら黒歴史になったとして、ひとつの成長の記録になるじゃん。それを目撃しておくことも大切!!」
もうね。
ありがとう。
おかーちゃん、安心して観に行ける。
そうよね。
おばちゃんだけど、本当に大好きだし、感謝しているもん。
むしろ、感謝祭よね。
勇気を出すわ!!!

というわけで。

前置きが長くなりましたが、行ってまいりました。
朝一番で『ハニーレモンソーダ』。

結論。

行ってよかった。
本当に行ってよかった。
黒歴史とか、一瞬でもよぎってごめんなさい。

心配していた声の出し方は、まぁ、それはやっぱり、今後の改善点というか。あれは、あれでいいと監督が許可したんだから、素人が文句言っても仕方ない。
でも、素直に、「もうちょい普通でもよかったと思うよ」だけどね。
ただね、それも、ずっと見ていると、大した問題ではないというか。

あとね、キュンシーンを詰め込みすぎて、らうちゃんが出てくると、そんなセリフばっかりになってしまっているのも、批判の出る原因でしょう。
でもさ、それは、まぁ、こういう路線にした大人側のセンスというか。
逆に、むしろ、こうあって欲しいというニーズもあるのだろうから、好みの問題だし。

私が一番好きなのは、バイトのシーンです。
まー、もー、スタイルが良いからさ。素敵なのよ。
ほんと、ありがとう!
これは、狙っていない色気が滲み出ていてよきです。
もし、ここすらも色気を狙いに来てしまったのだとしたらダメですが、多分、狙っていない効果が出ています。
ラウールにこの格好させたらかっこいいでしょ?という狙いはあったとしても、他のシーンとは違う空気感がちゃんと出せているのよ。

バイト先に来ちゃった羽花ちゃんを怒って連れ出すところとか、よきよきです。
「シーっ」ポーズよりも、こっちの方がキュンとしました。
同じように思う人がいっぱいいて、もし、こういう役ばっかりになってしまったら、それはそれで悲しいので、あまり広めたくはないけれど、でも、このシーンを見るためにもう一度観たいです。

らうちゃんは、天真爛漫なところがものすごく好きだし、そんな彼の成長を見続けていくのも楽しい。
だけど、去年の後半くらいから、なーんか物憂げな表情が多くなっていた気がして、「ああ、きっと、大人になってしまったのね・・・」と悲しくも思っていました。
もしくは、何かつらいことでもあるのかな・・・とか心配もしていました。
映画の公開が近づくにつれ、聞きたくない話も耳に入るだろうし。
そうだとしたら、負けるな!と秘かに応援しておりました。

映画を観ていて思ったのは、やっぱり大人の階段上っているんだなぁ、と。
そしてまたそれを子どもに言うと「18歳だよ?当たり前じゃん。」。
はい。
その通りです。

いいのよ、大人の階段上るのも、らうちゃんの人生に幸せなことがたくさんある方が嬉しいから。
ただ、きれいな芯の部分をずーっと持ち続けてくれたらいいなぁ、と思いました。
若さゆえの失敗も多くて、でも、世間は若いと扱ったり、大人として扱ったりで。
ものすごく悩んで壁にぶち当たって、の繰り返しな人だろうな、と思うけれど。
もがいた後には前より何かを掴んで強くなっている、そういうことかな。
なんだろうね。
わかりやすく成長の過程が見えるというか。努力が見えるというか。
そんな風に丸ごと見守っていきたいと思える存在と出会えて幸せです。

あ。映画から話がそれちゃった。
これはまた別の機会に語りたいところでした。

話を戻すと。
キャストの人がみんないいです。
だから、中和されるというか。
ちゃんと軌道修正されるというか。
キラキラだけに引っ張られないで、しっかりと進行していきます。

特に女の子たち!
吉川愛ちゃんはさすがだな・・・と思った。
途中ちょっと羽花のテンションの変わりっぷりがうるさかったけど、それは、愛ちゃんが悪いわけじゃない。
岡本夏美ちゃんは、最高にかわいいけど、べたついていないというか、過剰じゃない。堀田真由ちゃんの芹奈、かっこいい。
(ちょこっと出ていた花音ちゃんも、いじわる役だけど、「かわいい!」と心の中で叫びました。)

原作のイメージと違うことは確かです。
界はもっと線細いしね。
イケメンとはいえ、もう少し普通で柔らかな感じよね。
らうちゃんだと、どうしても、特異なのよ。存在感ありすぎなのよ。
でも、それって、仕方ないというか。
本人が「俺、この役がどーしてもやりたい」って言ったわけでもないし。

一旦、それはそれ、これはこれ、で観れたらいいんだけどな、と思う。
それにしても、やっぱりスノ担であり、少女漫画と邦画が好きだからでしょ、と言われたらその通りなんだけどね。

そもそも、映画なんて、みんなそれぞれ好みがあって、全人類誰もに愛される映画なんて、無いのよ。
友達と観に行くにしたって、私は面白いと思うけど、あなたは違うよね、どうする?って悩むのって普通にあるよね。
もちろん、ダメダメだな~と思う作品もいっぱいあるよ。
1ミリも面白さがわからなかった・・・ってなる。
それはそれで、個人の感想。それでいい。
でも、そういう感想を戦わせる必要は無いよな~と思う。

私は、ニーズに合っていたので、面白かったです。
もう数回、劇場で観たいくらいです。
大きな画面で観たいからです。

ちょっと心の中で突っ込んでしまったこと。
学校の上履きが白地に黄色のラインなことがレモン感行き過ぎだなぁ、と思ったり、この学校の備品管理室はどういうセキュリティだと思ったり、お祭りで人を探すのに数時間経っているだろう日の暮れ方を見ていると、どんだけ広い神社よ、大体、約束していないじゃんよ・・・ってところ。

再びそれますが。

漫画原作でイメージが違って悲しい思いをすることって、それはそれはたくさんある。
新しい話でいうと、来年放送の『ミステリと言う勿れ』の菅田将暉だって、そのニュースを聞いた時に、どれほどの原作ファンが「それは渡部豪太だろ!」と叫んだことか。私も叫んだ。
菅田将暉出しておけば成功するだろ、っていう安易な考え方が原作ファンには許せないのよ!って。
(言っておくと、菅田将暉は私も好きよ)

そういう思いが今回のハニレモにも通じるんだろうね。
SnowMan出しておけば売れるだろ、ってのが許せない!と。
お怒りはよくわかる。

私も、漫画大好きなので、実写化したら誰だな、というイメージを当てはめて読んでしまうこともある。
上に書いた『ミステリ・・・』は渡部さん以外に浮かばなかったので、ドラマ化するなら絶対にお願いします!と思っていたからさ。
一週間くらいは、がっかりしていたよ。
でも、なんだかんだ言ったって、菅田将暉はきっと菅田将暉なりにやってくれる。
だから、まずは観てみようじゃないか。と。

今クールで始まった『プロミス・シンデレラ』だって、絶対に眞栄田郷敦じゃないと思っていた。
だけど、始まってみたら、なかなかいいじゃないですか。
原作の壱成とは違うのよ。壱成も、もっと線が細い。
郷敦ではいかつすぎる。
でも、いいのよ。
好きになっちゃったわよ。
漫画とドラマと両方で楽しむから、2倍楽しめるってものよ、と割り切る。

大好きだったドラマに『初めて恋をした日に読む話』があるけれど、あれだって、横浜流星じゃないだろ、と思うけど、あれはあれでもう、ドラマはドラマ、漫画は漫画、で良かったし。

観ていないけど、『ヤッターマン』のドロンジョの深キョンだって、全然違うけれど、あれはあれで素敵だし、なんてナイス!と思ったし。

漫画原作で「どんぴしゃ!」と納得がいく方が珍しいわけで。
『ごくせん』の仲間由紀恵と松潤はよかった。

まぁ、なんだかんだ言っても、イメージ壊された・・・ってなっちゃうものは観ないことで防御している時もある。
別物として見れなくて、「ほら、そういうもの足してきた!絶対やると思った!」っていうやつは観ないようにしている。

自分で観ると決めた以上は、せっかくだから、全否定じゃなくて、ちょっとでも何か心に残るシーンがあればいいなぁ、とは思っております。

ハニレモを観て、考えさせられた・・・とかは無いかもしれない。
いちいち、映画観て、この作品の意味とは・・とか考える必要はないでしょう。
でも、若い子だったら、こういう毎日を夢見て、何かを頑張る原動力にするのもいいと思う。

とりあえず、スノ担で少女漫画好きで邦画好きな私といたしましては、ハニレモを観た日は、一日中、とてもご機嫌に過ごすことができました。
エンタメ業界に、本当に感謝感謝です!!!