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目次とあらすじ ユナヘルは石に閉ざされた夜道を走っていた。 胸が苦しくて、頭はくらくらしている。 喉の奥からせりあがってくる悲鳴を飲み下すのに必死だ。 大通りを避け、果物屋の角を曲がり、入り組んだ裏路地に逃げ込む。 夜道を歩く物乞いが、何事かとこちらを見た。 街灯から遠ざかり、より深い暗闇の中へ身を投じていく。 脚を止めることは出来ない。 追っ手の気配はすぐ背後まで迫っている。 ユナヘルの顔は、汗と涙と鼻水でぐしゃぐしゃになっていた。
目次とあらすじ 前回:小さな反抗者① 殺された。 殺され続けた。 容赦なく、一方的に。 そうした死を何度も経験して、何度死んだか分からなくなったころ、ユナヘルは一つの結論を得た。 時間が巻き戻っている。 路地を逃げ、背後から攻撃を受け、足が止まったところを殺される。 再び路地を走り、死に、また路地を走る場面へ舞い戻る。 ユナヘルは最初、夢を見ているのだと思った。 本当の自分は今も兵舎の寝台に横たわって、朝の訪れを告げる鐘が鳴るのを待って
目次第一章 小さな反抗者 ① ② ③ 第二章 救いの手 ① ② ③ ④ 第三章 双頭の獣 ① ② ③ ④ 第四章 訓練の終わり ① ② ③ 第五章 紅蓮竜 ① ② ③ ④ 第六章 王都攻略 ① ② ③ 第七章 永劫の彼方 ① ② ③ 第八章 蛇の娘 ① ② ③ 第九章 反抗者の帰還 ① ② ③ ④ ※完結済み※ あらすじウルド国の王位継承争いに敗れたメィレ姫は囚われ、いまや処刑を待つばかりとなっていた。 少年兵のユナヘルは、ちっぽけな魔法具を手に姫を助け