育てて食べる暮らしから見つめる意識

鶏を殺すのはかわいそう、だけど唐揚げ大好き。

そんな矛盾する自分自身の感情を見つめたことがありますか?

この感情(かわいそう、好き)と、感情でない部分(エネルギーは必要)で構成されているのが、私たちの意識です。

 豚の栄養はなんでしょうか?

養豚農家は答えるでしょう。配合飼料です(中身はトウモロコシ、脱脂大豆など)と。

 鶏の栄養は何でしょうか?

養鶏農家は答えるでしょう。トウモロコシ、魚粉、米ぬか……等。

 野菜の栄養は何でしょうか?

野菜農家は答えるでしょう。化学肥料または有機肥料……。

 それでは人間の栄養は何でしょうか?

幼稚園の子どもだったらこんな風に答えるでしょう。

お肉、野菜、魚、牛乳……それともオムライス、カレーライス?

栄養士だったらきっとこう言うでしょう。炭水化物、タンパク質、ビタミン…脂質…

 それぞれの答えは違っていますが、実はこれらはみんな同じことです。

 同じことなのにまるで全く違うことのように感じているのはなぜでしょう?

私たち人間の意識には、感情があるからです。

おいしい、楽しい、臭い、汚い、面倒くさい、などは感情です。

これは人間のご飯、これは豚のエサ、これは野菜の肥料、ととらえるのは、私たちの感情がこれはこういうものという固定観念を作っているからです。

 意識を構成する感情でない部分とはなんでしょう?

生き物は、生きるために他者の命を食べるという事実です。

豚や鶏のエサであれ、野菜の肥料であれ、人間の食べ物であれ、他者のいのち=エネルギーという点では同じ、ということです。

学校で勉強したり、本を読んだりして得る知識もそうですし、時間的要素(歴史の中ではどうなのか)、空間的要素(世界ではどうなのか)、エネルギー的要素(どんなつながりがあるか)を考えることも感情でない部分です。

 

 意識は、自分と自分以外(他者)との関係によって変化します。

すべての生き物が他者と関わって生きている「育てて食べる暮らし」の現場では、他者のいのちを感じ、考えることができます。そして、他者との関係によって変化する自分自身の意識(感情と感情でない部分)を見つめることにつながります。


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どろんこ村小笠原農園は自給自足を目指す小さな農家です。 生産・加工・販売・体験受け入れなどを行なっています。 育てて食べる農の現場から、持続可能な共存する未来に向けて発信します。 どろんこ村がスタートした1997年から書きためて「どろんこ蔵」に眠っている文章も順次紹介します。

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