見出し画像

主治医は4人!?介護療養を見据えた生活準備のポイント

老親がそろそろ自立生活が怪しくなってきたら、介護療養を前提とした生活への準備が必要です。

私の場合、振り返ると残念だらけなので、今だからこそ思う、より望ましい対策(やっておけばよかった…私も当時知りたかった…)、とくに主治医の見つけ方、主治医との関係を、今日は紹介します。
お付き合いください。

【point1】持病に詳しいかかりつけ医を見つける

老親はまだ自立した生活ができており、家の近くのクリニックがかかりつけ医(いわゆる内科)でした。父も母も、白血球、ヘモグロビン、血圧の数値特性や内臓、骨格とか、定期的に各種レントゲン、エコー検査、血液検査をしてもらい(たまには、専門医療機関をあっせんしてもらい)、持病や体質の把握をお願いしていました。
人間は、いろいろ奇形変形(?)とか、数値異常(体温が高いとか、病気ではないけど)があります、血液検査を継続的に行っているので、当人たちは、体調を、事実(ファクト)として把握していました。


point2】各ステージを具体的にイメージ

加齢し老化が進み、あわせて持病が進行し、より積極的な治療が必要となってきたときの、症状に応じた在宅生活の可能性、入院加療のきっかけの目安がわかると、その判断基準が見えてきます。
さらにその先の終末期のことも具体的にイメージする必要です。

<持病悪化>
高血圧➡降圧剤で在宅はOK?
腎臓➡尿素窒素値が30pt以下なら要観察で食事制限を開始?
生の野菜はカリウム過多、必ず茹でこぼして食べる、カリウムは1日1,500mg以下、肉魚豆やごはんパン麺類はタンパク質換算で1日50gまで、塩分は6g以下・・・・・・
透析➡尿素窒素値70ptを超えたら導入が必要・・・
<老化>
在宅で歩行困難➡ヘルパー増強でしのぐ?施設を検討する?
家の改造➡福祉器具はどんなものがある?家の広さに合う?器具は買い取りorリース?メーカー?安全保証はどんな内容?
<終末期>
最期の1週間は在宅で看取る?その時24時間看護は受けられそう?病院にお願いする?家族は対応できるの?
延命治療はするの?胃瘻チューブはやる?

例としてたくさん列挙してみましたが、大事なのは、とにかくとにかく具体的にイメージし、情報収集をし、理解を深め、一つ一つ想定していくことです。これは、体験談の話を聞いたり、体験本を読むのが効果的です
もう書き出すとキリがないくらい、決めなくてはいけないことだらけ。この段階がかなり大変です。だって、体験も想像もしきれないことしかないんですから。
(親類の看護で経験のある人には少し想像可能かも) 


point3】療養段階に応じ医療機関を4つ、調べる

療養の段階に応じ、4人のお医者さんが登場します。

①かかりつけ医
②救急医療(救急車・2次救急病院)搬送先の医師
③訪問診療の医師(できれば老親の持病に特化した専門医)
④終末期療養病院の医師

老親の病状や容体急変時の症状にあわせ、救急車を呼ぶと救急士から「症状と思いつく病名、搬送先の希望」を聞かれます。
ここで、適切に主張できるか?その時、運よくあなたは在宅か?容態が安定し、自宅に戻れたとして、訪問診療はどこのクリニックに頼むのか?訪問診療は、これから手続きするの?持病に強い専門医は派遣可能か?24時間対応は可能か?24時間訪問看護の併用は????
在宅療養が限界となった時の終末療養は、どの病院にお願いするの?、訪問診療の先生との関係は?、できれば入院後も、同じ先生に診てもらいたいし……。

ここのところを、居住地を在宅介護、訪問診療の活動エリアとしている福祉事業者、クリニックを調べ上げる必要が出てきます。契約が前提なので、ケアマネではなく、自分で調べ、一度は下調べ・下見をし、老親の理解も得ておくのがいいですね。


point4】老親を定期定時の経過観察&住宅プチ改造

在宅で介護、療養ですから、在宅介護住宅の3要素(床段差なし、手すり設置、上下レバー)で必要なこと、可能なことを探っておきましょう。
ここは、老親の体格によって様々ですが、介護保険(予防)で対応可能になります(自己負担1割)。
朝晩、同じ時間に老親の部屋へおしゃべりに行くとか、朝食後に検温、体重、血圧測定の記録を看護師になりきって手伝います。
元気なら、週1で夕食会でもいいですね(一緒に食事をとると食欲がわかります)。掃除代行も喜ばれます、洗濯干しとかも。


point5】私をサポートする人を確保(≒嫁さんの自由を確保)

親子は扶助介護の義務があるけど、嫁さんに義理親の介護の義務はありません。
ここを間違うと、先に自分の家庭・夫婦関係が崩壊し、親の介護どころではなくなります。単純に直系親族(相続を意識して)を巻き込み、時間の負担、金銭の負担、自由の制約の負担を話し合い、最後は、相続で落とし前(清算)をつけることを確約しておくことが大事です。
そう、お金で片付くことは、最後は、お金でカタをつけるのです。(介護、医療費、持ちだし分、自由の制約の金銭的補償、迷惑料も。ここで不参加の兄弟姉妹は、不参加に対し応分=公平な配分とします)。
つまり、嫁さんの時間的・金銭的自由、不要な介助、精神的負担を絶対させないことです。
我が家では、年2回程度、嫁さんの国内旅行を資金も含め奨励しました。 

point6】親の代理人になる

最後になります、大事なのは親の療養生活の主導権を老親に任せず、兄弟姉妹公平にせず、誰が握るか、責任を果たす(要は、決断する人)を明確にすることです。会社の経営と同じですね。

私の場合は、兄弟がいますが、自身が二世帯住宅で親と長らく同居しており決断の責任は自身が担いました。
家を施設化する以上、介護施設でも病院でも、療養の主導権はケアマネや医師が持ちます。でも、家は施設ではありません、暮らしの場です。この暮らしの責任を、私が担いました。ケアマネとの話し合い、主治医との相談、まとまったお金の支払い、契約行為、貯金通帳の管理、全部取り上げるとは言いませんが、個別には相談しつつ、主導権を親から代理人(私)に移譲させることです。
こうすることで意外と老親は行く末に対する不安(ボケたら、死んだらどうしよう、片方が残されたら、どうするだろう)が、かなり軽減したように思います。
ここは、相続人(兄弟姉妹)にも同意してもらわなければなりません。話の展開によっては、「不満あるのなら、あなたが介護してみては」というセリフを言うことになるかもしれませんね。


以上が、介護療養を見据えた生活準備のポイントでした。

この体験は、今にして思えば……という私の反省と理想です。
実際には、親子関係、兄弟姉妹との関係、やむを得ない事情、親の体調や性格で、人さまざま、家族はいろいろでしょう。それぞれの家族に、それぞれ違う顔があると思います。


興味を持たれた方、💛いいね、をください。はげみになります!
💬コメントもお受けしています!

よろしければサポートいただけると嬉しいです。 介護の合間に甘いものを食べてまたnote執筆を頑張りたいと思います!