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腎機能の低下を見る、3つの指標

父の慢性病で機能低下の中でもっとも大きかったのは腎臓でした。
今日は、父の経過とそのタイミングで医師言われたことを、医療判断腎機能の数値とともに振り返ってみたいと思います。

少し専門的なことにも触れますが、私自身は医師との会話、書籍やインターネットをもとにした知識を持ち合わせた程度なので、実際に応用するとき、必ず専門家の判断を仰いでください。


一般に、腎機能障害を測る目安はGFRが有名ですね。

血液検査の結果からわかるクレアチニン値に体重・年齢・性別を補正し、推計値を出した数値のことです。

この数値が便利なのは、年齢・性別に関係なく、腎機能健常者から進行した患者まで、一つの指標で病状を判断できることです。
また健常者に腎機能障害が発生し、軽中症化する初期段階の病状発見と、症状を効果的に把握できるのが強みです。

<成人健常者で考えたときの目安>
ステージⅠ・Ⅱ=軽症中症:100前後(=1=100%)のところ、90を割り60あたりまで
ステージⅢ=重症:GFR値が30まで
ステージⅣ=末期の腎機能保全期:30を下回る(透析しか対策はない)
ステージⅤ=10以下(計測不可能)最期
GFR値での経過観察で一番効果があるのが、100%~90%の人が60%まで低下するあたり、早期発見・早期治療など病状管理が可能なことです。


では、60%を超え30%を下回ったら、何で管理するでしょうか…?
実は、GFRは40~30を過ぎると、精度の問題もあり信頼性が低下するというのです。中症期を過ぎると、クレアチニン値の方が効果的です。
実は、クレアチニン値は、健常者では0.6~1.0前後で、健常から軽度、中度に移行する過程で糸球体の劣化でろ過機能が低下し、体内に筋肉由来のタンパク質が残留しはじめることで数値が顕著に動き始めます(上昇)。

かかりつけ医から「最近、腎臓の数値が悪いね、高齢だからしかたないけどね。これ以上低下すると腎疾患になるから食事に気を付けてね」と言われたときの父のGFR値は40%、クレアチニン値は1.5あたりでした。
かかりつけ医にこっそり確認すると、「老衰が先か、腎不全が先か……何とも言えないくらい進行が遅い病気。あと、2,3年は大丈夫じゃないかなぁ」という見立てでした。

さっそく腎疾患の専門医の診察を受けると、「この年では珍しくないけど。ここまでくると、GFRは精度上10以下が出ないの。今後は、クレアチニン値の方が大事。こっちに注目しようね」「いつものかかりつけ医で定期的に血液検査をしていて大丈夫。何かあったら、私の所へ来て」というお話しでした。

その後、3年間でGFRは15まで下がりました。クレアチニン値は2.0~2.5あたりをうろうろ推移していました。
健康状態も、この辺りまでは生活に不都合はありません

腎疾患の末期の主な自覚症状は、

 ✅食欲が落ちる(尿素窒素の滞留で内臓に炎症)
 ✅慢性的な倦怠感・不快感(尿素窒素が全身に滞留)
 ✅体重が増える
 ✅むくみがひどくなる(水分がろ過できない)
 ✅血圧が上がる(体内に水がたまり、血流が悪くなる)
 ✅かゆみが出る(皮下に水がたまる)
 ✅時々、うなされる(脳に尿素窒素が回る)

があげられるのですが、父の場合は何ら自覚症状も出ていませんでした。

ところが、クレアチニン値が2.5~3.0を超えるにつれ、尿素窒素(BUN)値が70ptに上昇。このタイミングで腎臓専門の訪問医から「尿素窒素値が70ptを超えると、指数関数的に腎機能が低下します。BUN値も90、100と1月単位で上昇、最後は1週間単位で120、130と上昇し、末期を迎えます」と説明がありました。かかりつけ医から最初に腎臓に問題がありと指摘されてから4年を経過していました。

父の場合、老衰の進行は、腎機能低下に追いつかれたようです。


以上、腎機能の低下に合わせ、血液検査でわかる3つの指標として
・GFR
・クレアチニン値
・尿素窒素(BUN)値
を、父の経過とともにまとめてみました。


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