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ドル・ストリート(Dollar Street)を訪れて/世界を眺めてみよう

今年の1月に、ファクトフルネスに関するブログを書きました。

ファクトフルネスの副題は「10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」です。

著者の主張は、ヨーロッパなどの先進諸国での未だはびこっている誤解があるということ、新興国をはじめ開発途上国の状況はよくなっているということ、これはデータからもしっかり分かるということです。

さて、この本で紹介されて有名になったのが「ドル・ストリート(Dollar Street)」です。

0. ドル・ストリート(Dollar Street)とは

サイトには通り(ストリート)が描かれています。この通りには左側には所得(ドル基準です)が低い人が、右に行くに連れて所得の高い人が住んでいます。

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このサイトでは、日常生活の住まいの様子(ベットから歯ブラシまで)、家庭で使う道具、夢など、本当にいろいろなものが記載されています。

その写真を見比べながら所得の高い人、低い人、そして中くらいに人の生活を想像してみよう、というのがこのサイトの趣旨です。

Dollar Streetの考え方です。

Imagine the world as a street ordered by income. Everyone lives somewhere on the street. The poorest lives to the left and the richest to the right. Everybody else live somewhere in between. Welcome to visit all homes on Dollar Street!

Dollar Streetで隣人を比較することで、世界中の生活が本当にどのようなものなのか、所得による違いがどういうものなのか洞察を得ることができます。

なお、Dollar Streetは、ファクトフルネスの著者である故ハンス・ロスリング氏の娘婿であるアンナ・ロスリング氏によって作成されました。

この方のTEDも面白いので、ぜひご覧ください。


世界を理解することに少しでも興味があるのであれば、少しでもDollar Streetに行ってみることをお勧めします。

僕も定期的にこのDollar Streetを眺めるにようにしています。

そして、世界の生活はどんなものなのか、自分のバイアスがどのようなものが客観的に調べるようにしています。

さて、ここから本題で、Dollar Streetを見ていて気づいたことをご紹介します。

1. 所得は生活スタイルに大きな影響を与える

Dollar Street を見ていと、どこに住んでいるかよりも収入の方が生活スタイルに影響を与えていることがわかります。同じ収入レベルのアジア人とヨーロッパ人の生活状況は似ています。

Dollar Street では、人間の基本的なニーズを満たすために人々が使っているものを見ることができます。ソファや食器、靴など、50カ国264軒の家庭で135点もの品々を見ることができます。そして、身の回りのものは、人の暮らしぶりを物語ることがわかります。

下の写真は所得ごとの購入するおもちゃの種類を示していますが、なんとなく似ていますね。

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2. 生きるために必要なものから高付加価値のものへ

Dollar Streetで低所得者の家庭から高所得者の方を見ていくと、必需品を買うことから、機能的なもの、さらには贅沢なものを購入することがわかります。

例えば、Dollar Streetの低所得者家庭の食事は、子供たちが適切に発育するために必要なビタミンやカロリーが不足していることが多いです。そして、所得が上がれば、食事はより栄養価の高いものになり、食事の種類も豊富になります。

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3. 人が最も大切にしているものは所得では決まらない

人々が最も大切にしているもの、それは必ずしも所得とは比例していないのかなと思います。ここでは、対応する最も大切な所有物と所得レベルを示した写真です。写真アルバム、愛する人からのプレゼント、洋服、携帯電話など。

所得は大きく違えど、そして形は違うかもしれませんが、人々が大切にするものというものはどことなく同じ匂いがする気がします。

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4. すべての人が歯を磨くが、すべての人が歯ブラシを持っているわけではない

歯の衛生状態は、Dollar Streetの住所によって大きく異なります。すべての人は歯を磨こうとします。しかし、低所得者の家庭では、人々は棒を使ったり、指だけを使ったりすることもあります。

プラスチック製の歯ブラシは、歯磨き粉よりも早くから登場しています。しかし、高所得の家庭では、家族の一人一人が別々の歯ブラシを持っていて、それを頻繁に交換します。


5. ある人にとっての夢は、ある人にとって日常

「ベッドシャツを買いたい」「自転車が欲しい」僕らが当たり前に行っている日常の消費行動はある人にとって叶えたい夢です。

この夢をかなえるためにお金を渡せばいいのでは、と思ったこともありますが、自分たちで叶えてこその夢ですし、どんな人にとっても夢というのは尊いものです。(これも先進国のエゴなのかもしれませんが)

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みなさん、いかがでしたでしょうか。Dollar Streetを訪れてみたくなりませんか?

今回挙げた気づきをまとめるとこんな感じです。

1.所得の違いは人々の生活に大きな違いを与える
2.人々の大切なものは決してお金だけでは買えない
3.日本人が当たり前に思っていることは、当たり前ではない
4.幸福のカタチは、人それぞれ

もちろん今回僕が示した点も、Dollar Streetの一部を切り取って記載したものに過ぎません。僕なりのバイアスがかかっていると思います。

興味を持った方は、ぜひご自身でDollar Streetを訪れて、素直にどう思うか考えてみてください。

きっと日本以外のことをみることで、自分の環境に対する考え方も変わっていくかなと思います。

他にもこんなnoteを書いていますので、ご覧いただけると嬉しいです。


最後まで読んでいていただきありがとうございます。アフリカ・マラウイに住んでるヤギです。Twitterでアフリカの日常をつぶやいていますので、日本の生活に疲れたら覗いてください。https://twitter.com/yagi_jan0607