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はしる

ずっと走り続けている友人がいる。
走り続けているというのは比喩ではなく、走ることを生業としている。
一般的には実業団ランナーというやつだ。

個人的な出会いは小学生も卒業した春休み。
母と制服を買いに行っていた店のレジ前に張り出されていた「中学生になったら頑張りたいこと」という題名の広報誌でその中で1人だけ走ることへの熱意を書いていた。

隣の小学校で名前は知っていたし、市内の駅伝大会でも何度も走ったこともあったけどこの広報誌を見てきっとこの子は僕とは違う世界で生きてる子なのかなとふと思ったことを覚えている。

中学、高校とその子はひたすら走り続け、大学でもひたすら走り続けて年明けに開かれる名物駅伝のランナーにも選出されるほどになった。

社会人になっても実業団ランナーとして走り続けている。

そんな友人が2年後にランナー人生にピリオドを打つことを決めたと報告があった。
繰り返す怪我で、左足に力が入らなくなってきたということ。

少年時代に誰しもが心の中に持つ煌めきがある。
そんな煌めきを持ち続けられる大人って本当に素敵だと思うし嫉妬するほど尊敬してしまう。

新しい人生を切り開いていく友人に勇気をもらいながら自分自身も奥に秘めてしまった煌めきを探しに行きたいところだな

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