安売りは、愚の骨頂。商品は「作品」でなくてはならない。

日曜の本日、自宅のすぐ近くにできた巨大モール「松戸テラスモール」に初めて行ってきました。

この場所は以前、「松戸公設北部市場」があったところで、私も毎日のように食材の買い出しに利用していたところです。そこに、日本有数の規模でモールができてしまいました。

オープン直後の噂は大変なものでした。周辺の道路は渋滞し、モールに入るまで何時間もかかるとか。
私の自宅からは歩いても行けるので、「そのうち行ってみよう」と思っていたのです。そして、本日初めて見てみて、驚きの数々。

まず、空いていました。駐車場もガラガラで、すぐに駐車できました。

店内は、1階のスーパーや生鮮食品売り場は人がまずまずいましたが、2階、3階となると人もまばら。飲食店街も客はわずかで、フードコートの座席は3分の2以上が空席でした。行列のお店もありません。

テナントにはモールの常連の有名店がずらりと並んでいますが、あれ?、と思うような、地元の商店の看板もあり、まずはバラエティに富んでいる内容ではあるのですが、とにかく、お客さんが少ない。
稼ぎ時の日曜日にこれで大丈夫なのか、と心配してしまいました。
シネマスペースも、お客さんが入っている様子が見受けられませんでした。

この状態を見て思いついたのは、まず、

●大型モール過剰状態

ということです。

松戸近辺には、イオンモール柏を筆頭に、モラージュ柏、柏の葉ららぽーと、おおたかの森SC、三郷SC、柏アリオモール、越谷レイクタウン、亀有アリオ等々、巨大モールがずらり。モール同士の客の奪い合いが激しいのです。
しかも、このテラスモール周辺にはそれといった有名観光地もなく、地元に住む私の「土地勘」からしてみても、「集客力に難がある」と言わざるを得ません。

やがちゃんキムチに声がかかるわけもないでしょうが、もし、「テラスモールに出店しませんか?」と言われても、即座にお断りすることになると思います。モールに行くたびに、実は、「ここに出店したいかどうか」という視点で見てしまうのです。

もう一つ。これは非常に大きな視点になるのですが、

●人口減少時代に、商店や商品が過剰になりつつある

ということを忘れはならないです。

大量生産や大量消費のコンセプトでは、今の時代はやっていけないのです。
ましてや、価値嗜好の多様化時代、「個」の選択肢が重要になるこれからに於いて、画一化商品の大量生産と消費はありえないのです。

人的コストの上昇もあります。
今は、何よりも「人間」が高い時代になっています。
人の数がどんどん少なくなり、労働人口が少なくなれば、給料も上がります。関連業界の物流費も、諸雑費も、すべて上がります。商品コストをカットしようなどという試み自体が無駄になります。

こうして、商品原価は、上がり続けるのです。
下がることなどはありません。

こうした状況の中で、過当競争が続けばどうなるか。
安売り競争に巻き込まれたらどうなるか。
それは、「全員が死ぬ」という状況になるのです。

それを避けるにはどうすればいいか。答は明白です。

「競争自体がない商品を作り上げること」
「価格競争のない商品を作り上げること」
「価格決定権を持つ商品を手にすること」
これ以外ありません。

安く売るなど、もってのほか。
コストカットのために、効率化を図ることももってのほかです。
それでは、商品価値が上がることはありません。
これは、アーティストの常識ですが、優れた作品は、壮大な無駄の結果に出来上がるのです。

自社の商品に壮大な無駄な時間を使えるような構造・・・・

それを持ちえた企業や個人が、これからは生き残るのではないでしょうか。
そのためには、何よりも「高く売れる」ことが必要なのです。

商品は、作品である。

やがちゃんキムチは、そう思い、毎日作っています。

商品つくりと、芸術創造とは、同じことなのだと信じています。新たなコンセプトは、新たな発想から生まれるのです。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?