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《台湾本のおすすめ》『東京溫柔時光』(明太子小姐/時報文化)

お互いのブログで交換日記をしている(しばらく停滞しておりますが)東京在住の台湾人作家・ブロガーの明太子さん。

雑誌編集者出身、日本人と国際結婚後に東京在住、男の子のママ、今でもメディア業と、共通点がたくさんあるので、いつもたくさんの共感と刺激をくれる存在です。

そんな彼女が台湾で新刊『東京溫柔時光』(時報文化)を出版されました。

ご恵投いただき、昨夜夢中で一気読み。

お本の中では私も知らないような日本の文化や、最近の東京について、たくさん紹介されていました。

たとえば、朝茶の習慣がある方達の間で「朝に飲むお茶がおいしいと感じられたら、その日はいい天気になるでしょう」といった表現があること。これまで知らなかったけれど、素敵な表現ですよね。

千鳥ヶ淵で桜を見た話を読んでは、以前勤めていた編集部がその近くにあり、よく仕事後に皇居をランニングしていたなと思い出してちょっとセンチメンタルな気持ちになったり。

明太子さんがお花見に行く時、「桜を主役にしたいから、桜を邪魔しないコーディネートで行って写真を撮る」というこだわりも可愛かったです。

庭園美術館、東急が発行しているフリーペーパー『SALUS』、武蔵小山商店街が好きといったキーワードを見つけては、すごい同感!とワクワクしたり、感情が忙しかったです。

明太子さんらしくて素敵だなと思ったのは、

「春は東京の一年間の四季が凝縮された、エスプレッソ」という表現。

春には東京特有のものが大量に詰まっているように感じるのだそうです。

皆さんそんな風に感じられたこと、ありますか? 

明太子さんにとって東京の春は、桜や人々の新生活シーズンという定番以外にも、雨が降りやすい春に、東京の皆さんが傘をすっとさすしぐさや、傘の種類が多くてファッションと合わせているのを見るのが面白いのだそうです。

春になるとヘアスタイルやカラーを変えたりする習慣、人間が花粉症対策をするだけでなく、犬も花粉症になるという友人の言葉に、びっくりしながらも好奇心でワクワクする、と。

春の東京は 視覚・嗅覚・味覚といった感覚に、「春が来たよ!」とパワフルさ全開で訴えかけてくるように感じるのだそうです。

すごくいい感度だなぁ、と思いながら一気読みでした。

東京の「ボスママ」の話にはちょっと背筋が凍りましたが…苦笑

海外目線で見る東京の柔らかな時間、読後は気持ちまで柔らかくなりました。


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