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ラインホルト・ニーバーの祈り

11月22日の尾久キリスト教会の高橋武夫先生による牧師説教は旧約聖書の申命記第3章23節から29節までを題材として「人生の壁と限界」。この箇所は映画「十戒」でも有名なモーセの生涯のラストシーンである。モーセはファラオの圧政に苦しむイスラエルの奴隷たちを、エジプトから脱出させた。行く先は、約束の地カナンである。その行く手には多くの多難な壁が待ち構えていた。最初の壁は「前には紅海、後ろに敵、進退ここに窮まれり」と歌われた絶体絶命。映画を観た人にはおわかりだろうが、ここで進路の紅海の水が左右に分かれて道ができる。道を渡り終えた時に、紅海の左右に分かれた水は、追ってきたファラオの軍勢の前で再び一つになる。第二の壁は内憂外患で、モーセへのクーデター。これは神が反乱分子を鎮圧した。第三の壁は金の仔牛の偶像崇拝。これは神の怒りを買ったが、モーゼが懸命に神を説得。そして四つ目は壁ではなく限界。約束の地カナンを前にしたモーセは神から役割の終焉を告げられる。40年にも及ぶ逃避行は、あと一歩のところで、モーセは絶命し、後継者ヨシュアの手に渡ることになった。申命記第3章は、眼下に約束の地を見下ろすピスガの山でのモーセと神の厳しいやりとりが描かれている。この時モーセは既に120歳。神から与えられた寿命であり、それは出エジプトにおけるモーセの限界であった。
 アメリカの神学者であるラインホルト・ニーバー(1892〜1971)は、その祈りが有名である。「変えられる者には、それを変える勇気をお与え下さい。変えられない者には、それを受け入れられる冷静さを下さい。そして変えられる者と変えられない者を識別する智恵を下さい」。ここからは自分の見解。人生100年と言われる日本。100歳を超える人は8万人もいる。寿命や役割の終焉ここからは自分の見解。今この祈りを肝に銘じるべき人は、トランプ大統領をはじめとした、後進に道を譲らない政治家や経営者たち。もっとも道を譲っても誰に感謝されるわけでもなく、それは社会に奉仕する心と自己献身の精神。は、冷静さを持って受け入れなければならない。壁は乗り越えられるが、限界は乗り越えられない壁。それは神の意志でもあるから。今この祈りを肝に銘じるべき人はトランプ大統領をはじめとした、後進に道を譲らない政治家や経営者たち。もっとも道を譲っても誰に感謝されるわけでもなく、それは社会に奉仕する心と自己犠牲。

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