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第57回「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」フィナーレにおける「駅弁原理主義」

京王百貨店新宿本店の第57回「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」も、いよいよ会期最終日を迎えた。2週間の会期中で5回目の訪問。駅弁ランチの仕上げは何にしようかと孰考の3日間。候補は①徳島「阿波尾鶏トロッコ駅弁」②岩手「うに弁当」③新潟「鱈めし」。しかし私は「駅弁原理主義者」である。つまり材料の豪華さで勝負するのではなく、日常的な材料で料理の腕を見たいということ。よく高級和食割烹で、料理にフォアグラやトリュフ(これら素材の美味しさを否定するものではない)を入れて自慢げにしているお店があるが、邪道である。
 悩んだ末の選択は「鱈めし」。新潟「鱈めし」@1200は、直江津「ホテルハイマート」の駅弁。JR東日本によるイベント、2012年「駅弁秋の陣」で「駅弁大将軍」受賞作である。「ホテルハイマート」は2019年にも「さけめし」で「駅弁大将軍」を受賞した近年の強豪である。だから販売も「駅弁大将軍コーナー」に鎮座。さて「鱈めし」の箱の蓋を開けて驚いた。鱈は鱈でも、何と「棒鱈」が3つも乗っている。この料理は手間暇と時間がかかる。深く出汁醤油で甘辛く煮込んだ味は関西の美味である。そして焼き鱈子は当然として、鱈の膾が酸味で口休めしてくれるアクセント。漬物も山葵漬が配されているところはポイント加点。素晴らしい選択に、自らに天晴れ!の自己満足。自分にとって「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」は、日頃手の届かない地方駅弁に会える、一年で最も楽しく貴重なイベントである。また来年よろしくお願いします。

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