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双葉山「われいまだ木鶏たらず」と「ローマ人への手紙」

6/27の尾久キリスト教会の高橋武夫先生による説教はローマ人への手紙8章31〜39節「勝ち得て余りある人生」。
 牧師先生は茨城県鉾田市の教会で奉仕されていた時期がある。その時代に見た光景として、茨城県には闘鶏の伝統がある。軍鶏どうしが羽根を広げて鳴きながら相手を威嚇する。高く鳴いて激しく動く軍鶏と、落ち着いて静かな軍鶏がいるが、強いのは後者。このような軍鶏を木鶏と称する。かの横綱双葉山は安藝の海に敗れて70連勝を阻まれた時に、友人に「われ未だ木鶏たらずや」と電報を打ったという。ちなみに双葉山は、信仰宗教「璽光尊事件」の乱闘騒ぎに巻き込まれて、もう一度「木鶏たらざる」人生の危機に晒されている。しかしその後に立ち直って、日本相撲協会の理事長を務めている。
 信仰における神の加護を説いたローマ人への手紙は、苦しい時の信仰の真価を試す。戦時中には敵国宗教としての弾圧、現代においてはコロナ禍の不安などがこれに当たる。戦時中に官憲に捕まって牢に入れられた友人の牧師は教会の信徒1人1人を思い浮かべて「あの人は大丈夫だろう」「あの人は転ぶかもしれない」などと心配していた。しかし戦後に教会に復帰した時に、ずっと信仰を守れた人は意外な人だったと語った。自らの信仰を日々反省顧みて、揺るぎない信仰を持つことの大切さをローマ人への手紙8章は訴えている。

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