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「大相撲特別場所」の第3回放映(最終回)

6月8日 テレビ体操再開8回目、再開2306日目、通算3166日目。大相撲夏場所の中止の代替として、NHKが送る「大相撲特別場所」の6月7日(日)の第3回放映(最終回)。今回は来たる7月場所に向けて、旋風を巻き起こしている炎鵬の研究。そしてモンゴル横綱どうしの朝青龍と白鵬の激突を振り返る。インタビューは炎鵬と兄弟子の白鵬。
 朝青龍は大好きだった。とにかく個性的で面白い力士だった。毀誉褒貶の激しい、規格外の横綱。相撲の取り口は変幻自在。それもただ運動神経に任せて取っているのではなく、高い技術と厳しい修練によって繰り出される、正確にして力強くスピーディな技。以前に能町みね子が挙げた「思い出の一番」で、2004年名古屋場所8日目結びで、朝青龍が琴ノ若に勝っていた一番を行司差し違えで取り直しになった。取り直しの一番では、わざと全く同じシチュエーションの決まり手に持ち込んで、はっきりわかるように勝ったというインタビューを聞いて仰天したことがある。一方の白鵬は、名横綱・双葉山以来の「後の先」の立ち合いで、ドッシリ受ける相撲。本人も双葉山の相撲を意識していて、その映像をよく研究していた。また四股名の通り、これも名横綱・大鵬にそっくりで、安定感はあるが、面白味に欠ける相撲だった。
 朝青龍は相撲だけでなく、人柄が魅力的だった。感情の浮き沈みが激しく、それが顔にハッキリ出る。残された映像でも、記者たちは朝青龍の機嫌の良し悪しを伺って、ビクビクしている。勝負に好調な時は上機嫌で、誰にでもウェルカム。負けて不機嫌な時は、仏頂面どころか暴言まで吐く。角界や好角家には評判の悪い力士だった。勝った時についつい出るガッツポーズ。休場中に母国モンゴルでサッカーに興じて2場所の出場停止。挙げ句の果てに暴力事件で引退だ。相撲界の面汚しと言っていい。横綱審議委員会に、何度も何度も品位を厳しく注意される始末。それでも「ファンタ」のCMに「ファン太郎」として登場する愛嬌。春場所優勝インタビューで「大阪好きやねん!」の挨拶で拍手喝采を浴びる茶目っ気。自らを罵倒する横綱審議委員の作家・内館牧子先生が体調を崩した後に、ハグして「大丈夫ですか?」と声をかける人たらしぶり。そして何より、引退後も何度も国技館で相撲観戦し、twitterでコメントを繰り返す相撲愛。人間くさい魅力に溢れていた。
https://www1.nhk.or.jp/sports2/sumo/
3️⃣第3回(6月7日)16:10〜17:20
①炎鵬特集
②白鵬vs朝青龍の激突
③インタビュー
・白鵬
・炎鵬

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