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野木駅に降りてみた

久しぶりに仕事で著者とお話し。前職の復刊事業を離れて、1年間現職場で相撲業務の傍らで書籍編集の仕事をした。その後2年は電子書籍業務で制作に専念。しかし去年の夏から電子書籍事業の中で編集者機能を果たさねばならないプロジェクトに携わることになった(というか1人出版社機能だった)。売上見込みがハッキリせず、売上予算も立てていない規模だったので、20人ほどの著者に会いに行ったりするのは控えて、メールと電話だけで進めて行った。新潟県とか遠方に住んでいる著者もいたので、それで特に問題なく進んでいた。しかしある著者だけはメールをやりとりする度に、新しい提案が次々と寄せられて「一度お会いしてみましょうか?」ということになった。お住まいは栃木県だったが、幸いにして、私の自宅最寄駅から一本でジャスト1時間。会ってみれば話しが弾んで2時間。直近の仕事の話はもちろん、復刊ドットコムのヘビーユーザーで、かつての復刊舞台裏をも説明することになった。
 訪問した先生のお住まいは栃木県下都賀郡の野木駅。宇都宮線の古河駅の一つ先。栃木県と言っても宇都宮駅まではなお50分弱かかる。古河あたりは工場や流通センターが林立している。その間に住宅街が並び、そこそこ都会である。先生にお聴きしたところバブル期には1棟5千万円くらいで住宅が分譲されて大人気だったそうだ。ブームが去って、今は2千万円くらいに値下がりしたそうだ。野木町の人口は2万5,000人くらいでずっと安定している。駅前には商業施設はほとんど何もなく、しばらく歩いた先に建売だった住宅街が続いている。何が言いたかったかというと、都心部からの住宅街はこんなに奥深くまで繋がっているということ。栃木県と聞くだけでもっと鄙びた印象を持っていた。初めて関西から新幹線で出て来た時に、品川駅を出たあたりで東京の市街地の広がりを見て仰天した。関東平野のビルや住宅の広がりは、関西では決して見ることのできない規模だったから。コロナ禍で東京都が久しぶりに人口減になったと聞く。巨大都市東京の一極集中が正される機会かもしれない。

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