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つみき

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エッセイを集めたマガジンです。つみきのように日々や考え、想いを積み上げるというコンセプトで、考えや経験を書いています。
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2024年1月の記事一覧

あなたの興味はタダじゃない

先日、ある人から「人は興味を抱くものにしかお金を払わないよね」と、ごく当たり前だけれど、考えるきっかけになるテーマを投げかけてもらいました。逆にすると「お金になるのは人の興味」だし、もうすこし踏み込めば「人の興味はタダじゃない」とも言えるかな、と思いました。 私は昔から着物に興味がありました。着物を着ている女性は美しいなと憧れていたし、身につけることで所作が美しくなったり、それを着られる自分に自信を持ったりできそうで、いつか着物を着てみたいと心のどこかで思っていたのです。

ひとりじゃなんにもできないぜ、冬

先週の土曜日、「朝イチで厄払いに行こう」と厄年同士の友だちと約束した。久々に朝から車を出すために、早朝から雪かきをした。けっこうな積雪だったのでヒイヒイいいながらなんとか車を出せる状態をつくる。いざシャワーを浴びて化粧をして、友だちに「今から出るよ」とLINEしようと思ったら……。 あれ?スマホがない。 日ごろからスマホをどこに置いたか忘れる女なので、いつものことだ。「アレクサ~、スマホ鳴らして~」とお決まりのお願いをする。しかし家の中は静まり返っている。 あれ? 洗

食後の皿を片付けるタイミング

皆さんは家でごはんを食べ終わったあと、その皿をすぐ台所に持っていくタイプですか?私は食べ終わったらまず一息ついて、食後のゆったりした時間を楽しんだあとに腰をあげて皿を片付けるタイプです。 皿を持って行くタイミングが異なる者同士でごはんを食べると、「皿をすぐ持っていくタイプ」の人間が一方的に片付ける役を担うことになります。「食後に一息ついてから片付けるタイプ」は食後、いつものクセで笑顔を浮かべながら一服なんかし始めるものなのですが、「皿をすぐ持っていくタイプ」がテキパキ片付け

地元の友だちとお茶をする

先日、地元の友だちと3人でお茶をした。近所の神社でお参りをして、おみくじを引いて、カフェに行って数時間話した。ちなみにおみくじは小吉。「パッとしねえなぁ」とぼやいて笑った。 30代女性は10年間のうち6年間が厄年だそうで、まーた厄払いに行かねばならんという話から始まり、厄年に起因するであろう互いのすったもんだを共有しあう。 老後の話と、病気の話と、家族の話で盛り上がった。こんな地味な話題ばっかりなのが30代って感じだよな、と日が暮れるまでひとしきり話してからしみじみ振り返

雪かきの大変さについて細かく説明してみた

「雪かき」とは、豪雪地帯に暮らす人のみぞ知る冬季限定のタスクだ。積もった雪を生活に支障が出る場所からそうじゃない場所へ移動する行為を指す。地方によって同様の行為を指す「雪はね」「雪なげ」「雪はき」などの言葉がある。掻く、撥ねる、投げる、掃く。どれも実際の行動に即した表現だけれど、「雪かき」の全容を表せているとは思えない。 雪かきをするにあたっては、前提として生活に支障が出る程度の積雪がある。例えば、玄関から出た先で膝まで雪に埋もれてしまうとか、自動車が車庫から出せないとか。

すてきなおばあちゃんになりたい

すてきなおばあちゃんになりたい。 これは28歳くらいの頃に描いた、私のふんわりした「夢」だ。それまでは職種とか成し遂げたいこととかが具体的な「夢」として思い浮かんでいたんだけれど、私の場合は人生の夢を仕事に紐づけて考えるのがあんまり向いてないみたいだなって、あの頃に気づいた。 きっかけは、会社を辞めたことだった。それまで仕事のことばかり考えて生きてきたから、会社を辞めたら何をめざして生きたらいいのかわからなくなった。でも当時は疲れすぎていて、ゼロから目標を立てて走り出すこ