「阿部さんが描いた野菜のトートバッグ」にまつわるストーリー
常に特技を生かしたサービスを提供したい蔵王連峰の雄大な自然のおよそ一万坪の敷地のなかで非日常な時間を過ごせる『温泉山荘だいこんの花』。そんなお宿がコロナ禍において「何かやれることはないか?」と作ったのが、こちらのかわいらしい野菜のイラストをあしらったトートバッグ。
モデルは、自家菜園の野菜たち
地元の採れたて野菜が食べられるだいこんの花では、自家菜園も運営しています。地元の農家の方にアドバイスをもらいながら、種まきから収穫までをスタッフたちで行っているそうです。そんな宿の主役ともいえる野菜をモチーフにしたイラストはどうやって生まれたのか?
はじまりは、宿泊者に人気の “ランチョンマット”
実はイラストを担当したのは勤続7年目のスタッフ阿部ゆうさん。「大学で美術を勉強していたので、支配人から『ランチョンマットのデザインをしてみない?』と言われ、宿の特長を表現できる野菜をモチーフにしました」。
このランチョンマットがとても好評で、春夏秋冬にあわせて4パターンがあります。「季節感があっていいね」という宿泊者の声も多く、全シリーズ揃える方もいれば、額に入れて自宅に飾ってくれている方も多いそう。他にも、宿泊者限定のポストカードのイラストも担当(右上)。「野菜は食べるのも好きなので、描いていて楽しいです(笑)」と阿部さん。
イラスト制作期間は、コツコツ1カ月
まずはシャーペンでスケッチをし、その後濃淡をつけやすいアクリル絵の具を使いどんどん色を重ねていくという作業。これを、毎日コツコツ行い、約1カ月の制作期間を経て描いたそう。ちなみに、黄色のバケツは小学校からの愛用品というから驚き。「一番手ごろで、使いやすいからずっと使ってます」と笑う。
宿泊者とのコミュニケーションのきっかけにもなり、ファンづくりにも一役かっているこのランチョンマット。コロナウイルスが猛威を振るい、旅行が思うようにできない環境が続いたなかで、何か届けることができないか? と、同じイラストをプリントしたトートバッグを販売することに。「今はこのトートバッグを持って泊まりに来てくれる方もいるので、とてもうれしいです」と阿部さん。野菜のイラストが宿泊者とお宿をつないでいます。
お部屋のカップも作成する陶芸家としての一面も
大学時代には陶芸も勉強していた阿部さん。各部屋に設置しているカップもすべて阿部さんの手づくり。かつては売店で販売もしていたようですが、残念ながら完売。
常に特技を生かしたサービスを提供したい
だいこんの花では、各スタッフがゲストのお出迎えからチェックイン・アウト、お食事の準備、畑の作業など、一人で複数の役割を担当しているそう。俯瞰してすべての業務に習熟しながら、阿部さんのように自分ならではの特技を生かしたサービスもどんどん広げていきたいと語るのはゼネラルマネージャーの佐竹博行さん。
「宿の仕事自体は、それほど難しいわけではありません。だからこそ、その人にしかできないことができる場所をつくることで付加価値が生まれ、サービスも向上していくと思っているんです」
ちょっとしたお出かけのお供に
12ozの頑丈なキャンバス地を使っているため、多少の重みにも耐えられるので、ちょっとした外出に最適。11センチの底マチつきなので、通勤・通学にもおすすめ。持ち手も長めに作られているので、サブバッグとしてもメインとしても使えます。サイズは横36センチ×縦37センチ。
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